2010.9.28 _ 2010.10.10
iTohenにて第177回目となる展覧会では、関西を拠点に活動する井上美央(いのうえみお)氏を
ご紹介致します。
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私は布の素材、染料の透明感・鮮やかさを活かした作品をつくることを意識しています。
染色は他の画材に比べ、自由が利かない。
色を好き勝手におくことはできない。
表現の前に技法・技術がいる。
どう染めていくか、そして、どう染まらないようにするか。
そんな不自由な画材をなぜ使うのかとよく聞かれますが、それは”色”がきれいだから。
表面だけに描かれる絵の具とは違い、染料は布の奥まで浸透します。
発色がきれいなのはそのためです。
その色に惹かれたため私は染色を続けているのです。
染色という分野はあまり知られておらず、工芸的なイメージを持たれる方がほとんどのようですが、
”染める”という表現方法があることを多くの方に知ってもらうことが私の課題の一つです。
きれいな花を見つけた時、旅先で見た素敵な風景など、
その瞬間の言葉では表せない感覚を色で表現したい。
わかりやすくストレートな表現を大切にしたい。
見る人が童心に返れたり、ほっとしたり、心地よい気持ちになってもらえたらと思います。
(記)井上 美央
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略 歴
2007
2007 |
京都市立芸術大学卒業
「blooming展」(染色二人展) スペースオルタナティブギャラリー |