2013.9.4 _ 2013.9.15
iTohenにて第252回目となる今展では、現在、名古屋に拠点を置く佐藤貢(さとう・みつぐ)氏をご紹介致します。弊廊では1年ぶり。今回で7度目の新作発表となります。
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今回の新作展は、佐藤さんには珍しく、一つの空間を一つの作品に構成(インスタレーションと言う言葉で区切れるのか、それは鑑賞者の皆さんに委ねたいですが)されたのが特徴と言えるかと思います。
入ってすぐ右手に色々な額に入った大小さまざまな「鏡」が異彩を放ち出迎えます。その鏡を背に、空間の中央には、使いかけなのか、また使われないまま放置されたのか ともかく用途を失ってしまった「糸巻き」が配されています。
その糸巻きからは一本の糸が天に向けて設置され、人 一人が通れるかどうか、ぎりぎりの通路が明け渡されています。
そしてそこをくぐると大きな十字架のようなものが。
左手には、あたかも月を想起する丸い「鏡」が一つだけ、僕を見つめます。
宗教的な観念から決してイメージの出発をしていないと思いますが、それでも今回の作品は、そのような事を思わずにはいられません。
不躾にも、その中央に柵のように立ち上がった糸は何なのかの質問を作家にぶつけました。
「薄い膜のようなもの」と佐藤さん。
鏡のある空間は“現実世界”。薄い膜の向こう側は“あちら側の世界”なのでしょうか。鏡は[鑑]とも書き、鑑みる(かんがみる)とも読みます。思考の角度を変えてあらゆるアングルで覗けば、いくらでも創造力が刺激されます。いづれにせよ、私達は、今回 とても“試されている”のかも知ないと思いました。
この佐藤さんの出した問いに、あなたなら、どのような答えを突き返しますか?
前述のように大作に加え、約20点余りの作品が並びました。
是非、この機会に会場まで足をお運び下さいませ。
iTohen 鯵坂兼充
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佐藤 貢 Mitsugu Sato
1971年 1992年 1994年~ 1998年 1999年~ 2005年5月 7月 9月 2006年5月 9月 11月 2007年5月 7月 2009年5月 9月 2010年5月 2011年1月 2011年5月 |
生まれ 大阪芸術大学美術学科 中退 中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪 和歌山市へ移住後[流木]を用いて作家活動を再開 毎年、年に一度 和歌山市にてグループ展に参加 第1回個展(大阪 北区本庄:iTohen、中津:パンタロン) 巡回企画展(東京 渋谷区恵比寿南:lim Art) 企画展/月がほしい。(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE) 個展(大阪 北区本庄:iTohen) 巡回企画展(愛知 名古屋:コロンブックス) 巡回企画展/朝(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE) 個展/Waltz(大阪 北区本庄:iTohen) 巡回企画展(東京 日本橋茅場町:森岡書店) 個展(大阪 北区中津:パンタロン) 巡回企画展(愛知 名古屋:gallery feel art zero) 個展(大阪 北区本庄:iTohen) グループ展/自然の産婆術 / MAIEUTIKE野生の創造 (東京 東神田:馬喰町ART+EAT) 個展(大阪 北区本庄:iTohen) ポジション2012名古屋発現代美術 招待出品(愛知 名古屋:名古屋市美術館) アーティストによる家具展 参加(愛知 名古屋:gallery feel art zero) 個展(大阪 北区本庄:iTohen) 個展(大阪 北区本庄:iTohen |