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イケダユーコ 作品展「サイクル」

iTohenにて第237回目となる今展では、関西を拠点に活動を続けるイケダユーコ氏をご紹介致します。


以前、大阪は北区の梅田にある専門学校で講師として勤務させて頂いた経験があります。5年間ほど、いわばサラリーマンとして勤めたそこでは、僕は商業美術(イラストレーション)を教えていました。

とは言っても、そのようにイラストレーターとして活動をしていた訳ではありません。銅版画とシルクスクリーン(道路の交通標識やら、時計の文字盤、あなたがお使いのキーボードの文字などが、それです。 )を担当していたのですが、イケダユーコさんはその当時の受け持ちの学生でした。

シンプルに言えば元先生と元生徒の関係です。

口数も少なく、でもいつもにこやかに笑っているイケダさんは、その頃から全く変わりありません。ただ、創作に対する決意は時間の経過と、経験とが加味され揺るぎないものに変貌を遂げました。

しかし、一時期、自分が創作をする真価が見いだせない時期を過ごしました。このまま“フェードアウト”しかねない自分に対峙していたのが、傍観している僕にも、なかなか辛かったことを思い出します。

大阪府枚方市星丘に、星ヶ丘洋裁学校と言う所があります。これを読んで下さってる方は、訪れたことのある方が多いのではないでしょうか?その木造の建物の一角に、有志で運営された風通しが良く敷居の高さを感じさせないギャラリーがあります。そこで発表をしたイケダさんは、まさに“水を得た魚”のように、一気に覚醒した表現者に生まれ変わります。その理由は何だったのでしょう・・・。憶測に過ぎませんが、そこに出入りされる人々、場所が持つ“強さ”に共感できる何かがあったのかも知れません。

それからは意欲的に制作と発表を繰り返して現在に至ります。 iTohenでは、実に8年振りとなる発表。「Cycle」と題した理由をコメントしてくださいました。

文章になっているのかさだかではありませんが、そのテキスト一つ一つがまさにイケダさんの作品と同期していて、実に正直な面をまた、ありありと感じさせるものになっています。
そう、この“まっすぐな加減”こそが、イケダユーコの作品を支える骨格なのです。


cycle_循環
描き続けているドローイング

女のひと

トリ

衣・・・みたいな人

なんども、繰り返し描いてしまうモチーフがある。
それは、一つの循環していることだと思った。


今回は新旧織り交ぜての約50点を発表予定。期間中には大阪府池田市にある<家 ie>でもコラボレーションされたことのある音楽家の青木隼人さんも駆けつけて下さいます。
どうぞこの機会にご高覧頂けますよう宜しくお願い致します。

iTohen 鯵坂 兼充

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イケダユーコ

1980.1 広島県生まれ 大阪在住
2002.3 大阪総合デザイン専門学校 イラストレーションコース 卒業

<個展>
2004.10 寝子[NEKO]/iTohen(大阪)
2005.10 浮遊ひろば/iTohen(大阪)
2006.09 雨の実色 月の下/雨月サロン(大阪)
2007.03 鳥と羽衣ハミング/cafe Banyan tree (大阪)
2008.06 すいへー/sewing gallery(大阪)
2008.11 無国/beyer (大阪)
2009.09 6℃の目(二人展)/galerie 6c (兵庫)
2009.12 沼々[ヌマヌマ]/soramimibunco(兵庫)
2010.10 ゆらぐ/日音色 (大阪)
2011.10 モクセイの耳/家ie (大阪)
2011.12 花を浮かべる/gallery COLOR(兵庫)
2012.10 うみの森/なかなかの森 雨のあと(大阪)
2012.11 TABLE (三人展)/beyer(大阪)
2012.12 香川小児病院:風の伝言プロジェクト 出品提供/塩江美術館(高松市)

その他、グループ展に参加しています。

<お仕事>
通勤電車でよむ詩集」小池昌代 NHK出版/新書カバー装画、挿絵
「悲しき玩具」石川啄木 角川春樹事務所/文庫カバー装画
「すてきにハンドメイド」NHK出版/川上弘美 連載ページ、挿絵
「なかなかの森」webサイト/作品提供

<作品集>
「無国」 イケダユーコ/出版:BOOKLORE   2009発行

イケダユーコ Official Site