2005.12.6 _ 2005.12.11
<紹介文> | |||
青井洋平氏の作品は、幾層にも色が重ねられ その丹念でもあり荒々しくもある波のような表情を魅せつつ、その重なりで一つの面をなしている。 青井氏が本腰を入れ作品制作に取り組むようになったのは20代とのこと。 当時、東京:高円寺の辺りを「遊び」の拠点にしていた青井氏にとって音楽やらアートやらで模索し、追求して行こうとする連中が集まり、誘われるように描き始めたとのことだ。 どのような作家になりたいのか?と言う問いに迷い無く「ロックンロールスターのような画家になりたい。」と答えてきた。そのような影響の一つなのかも知れないが、前述したように、線(色)の重なりで面を作ろうとする仕事の原因を考えると、どうも彼にとっての一枚の絵は、何人かの<バンドマン>が集まって創られた一曲の音楽のように思えてくる。様々な形や音色を持った楽器で作られた音が一つのカタマリとなり、懐かしさの“韻”をも含めたライブを提供しているかのようにも思えるのだ。 ・・・と、ここまで書きながらも、青井氏の作品を拝見してると灰谷健次郎氏の作り出す世界が頭に浮かんで離れない。 子供、女性、そして自分自身。朴訥として、また能動的であったり、その逆であったり・・・。 青井氏の作品の中に登場する人物達は作家本人を、また観覧する側をも投影するかのごとく、優しい顔が素直に出せた時代のロックンロールスターそのものなのかも知れない。
<記> SKKY 鯵坂 兼充 ・
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