2005.10.4 _ 2005.10.9
<紹介文> | |||||||
今回、iTohenにて第22回となる企画展では、作家:イケダユーコをご紹介いたします。
昨年の10月に幣廊にて開催された個展<寝子 -NEKO->では、文字通り<寝る子供>が主題として取り挙げられたものである。今回の新作を見て、昨年の彼女の作品意欲はまだ眠っていたのかも知れないと、今になって思う。 イケダユーコは昨年の個展以降、まるで日記をつけるかのようにその日に感じた事や出会った事を絵筆を用いて描きとめている。複数の断片を配置することでつくりだされる、いわばコラージュ日記と言えるだろう。そうする事によって昨年までは不確かだった“絵を描く”という行為がより身近なものへ(確かなものへ)と姿を変えていくのだと言う。 そんな彼女の今回の個展のテーマは<浮遊(ふゆう)>である。彼女は個展開催をきっかけに覚醒し、ふわふわしながらも浮遊しはじめたのだ。彼女の作品の特徴は、絶妙なる脱力感だと言えるだろう。彼女の作品に登場する踊り子やくらげ、動物たちはどれも気持ちよさそうに画面の中で泳いでいる。それは、決して力を入れ過ぎる事もなく急ぎ過ぎる事もない、じっくり時間をかけて生まれる<脱力感>なのだ。 そして、ようやく眠りから目覚めたイケダユーコはこれから何処へ向かって浮遊していくのだろう…。 その確かな“何か”をたずさえての新作発表となる。 <記> SKKY 川上勝己 ・
|