2006.11.15 _ 2006.11.26
<紹介文> | ||||
青野史は、学生時代に日本画を専攻し 現在もその手段の中で制作を続行中だ。 日本画というのは表現の手法上 完成まで何かと時間と手間が掛かる行程の多いものだが、一枚の絵に対して向き合う時間が長いほど本人にとっては非常に相性が良いのだと語る。 彼女はモチーフとして植物を主に取りあげるのだが、道ばたで心奪われる花や草木に出会うと 幾度となくその場に赴きスケッチをするそうだ。丹念に輪郭を拾われ彩色を施されたそれらは、彼女が居合わせたその場の空気ごと落とし込んだように柔らかな表情をみせてくれる。 一方 鎌田圭子も、元来は版画を専攻しており、青野とは高等学校時代からの級友である。 鎌田仁は、奈良の名物でもある一刀彫を家業として営む家庭で生まれ育った。3歳の頃から木には慣れ親しんでいたらしい。 「楠木には、木 本来の美しい色がある」という彼の言葉からとれるように作品には意図して着色されたものが少ない。またこの楠木自体も家からでた大量の廃材を使用していると言う。 3者に共通して言える事は、各々の生活の中で自己の置かれた環境を認識し、作品へと転化していることだろう。 無理にペースを加速させることなく作品づくり自体を楽しみ、己の考えで形にしていくことこそが、鑑賞者の創作意欲を記憶の底の方からすくい上げ、刺激し 相乗効果を産み出すのだろう <記> SKKY_角谷 慶 ・ 青野 史 AONO,Fumi 1990年 大阪市立工芸高等学校 美術科(日本画専攻)卒業 ・ 鎌田圭子 KAMATA,Keiko
・ 鎌田 仁 KAMATA,Hitoshi
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