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鎌田仁 鎌田圭子 青野史 三人展

<紹介文>
青野史は、学生時代に日本画を専攻し 現在もその手段の中で制作を続行中だ。
日本画というのは表現の手法上 完成まで何かと時間と手間が掛かる行程の多いものだが、一枚の絵に対して向き合う時間が長いほど本人にとっては非常に相性が良いのだと語る。
彼女はモチーフとして植物を主に取りあげるのだが、道ばたで心奪われる花や草木に出会うと 幾度となくその場に赴きスケッチをするそうだ。丹念に輪郭を拾われ彩色を施されたそれらは、彼女が居合わせたその場の空気ごと落とし込んだように柔らかな表情をみせてくれる。

一方 鎌田圭子も、元来は版画を専攻しており、青野とは高等学校時代からの級友である。
彼女は大学を卒業後、ステンドグラス工房で働く事となり、その制作のために使うガラスの<色見本>にふれる。色見本というのは毎年更新され、必然的に余ったそれらは廃棄物となっていくという。
それを日々、目の当たりにしていた彼女は純粋に「勿体ない」と感じ、作品制作の素材としてそれらを再利用することを開始する。これが現在の表現方法の一端を担っていると言うワケだ。
色見本として製造されたものだけに その色は多種多様だという。彼女はそれらを絵の具のように自在に扱い、あえて自ら彩色することはないのだそうだ。

鎌田仁は、奈良の名物でもある一刀彫を家業として営む家庭で生まれ育った。3歳の頃から木には慣れ親しんでいたらしい。
東京の大学で彫刻を学び 現在に至るまで、関東・関西を中心に毎年個展を開催するなど精力的な活動を続けている。
彼の作品素材となるものは<くすのき>が殆どだ。

「楠木には、木 本来の美しい色がある」という彼の言葉からとれるように作品には意図して着色されたものが少ない。またこの楠木自体も家からでた大量の廃材を使用していると言う。

3者に共通して言える事は、各々の生活の中で自己の置かれた環境を認識し、作品へと転化していることだろう。 無理にペースを加速させることなく作品づくり自体を楽しみ、己の考えで形にしていくことこそが、鑑賞者の創作意欲を記憶の底の方からすくい上げ、刺激し 相乗効果を産み出すのだろう

<記> SKKY_角谷 慶

青野 史 AONO,Fumi

1990年 大阪市立工芸高等学校 美術科(日本画専攻)卒業
1994年 京都市立芸術大学 美術学部 美術科 日本画専攻 卒業

鎌田圭子 KAMATA,Keiko

大阪市生まれ。大阪市立工芸高校美術科卒業。
京都市立芸術大学美術学部美術科版画専攻修了

2001年 個   展 画廊ぶらうん (大阪)
2002年 グループ展 画廊ぶらうん
2003年 グループ展 画廊ぶらうん
2003年 個   展 画廊ぶらうん
2004年 グループ展 画廊ぶらうん

鎌田 仁 KAMATA,Hitoshi

1972年 奈良市生まれ。現在 奈良市在住。
1996年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
1998年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了

2000年 第31回奈良県美術人協会展(奈良)
2000年 魅力の若手立体作家 5SCULPTURE WORKS かねこ・あーと2(東京)
2000年 富士火災アートスペース2000(関西国際空港)
2000年 AN AUTUMN EXHIBITION OF ART WEB SITE ギャラリー青羅(東京)
2000年 第七回木彫フォークアートおおや
2001年 第28回奈良県美術人協会新春展
2001年 鎌田仁展  画廊ぶらうん(大阪)
2002年 鎌田仁展  画廊ぶらうん(大阪)
2002年 第23回国際インパクトアートフェスティバル(京都市立美術館)
2002年 第33回奈良県美術人協会展(奈良)
2003年 第34回奈良県美術人協会展(奈良)
2004年 鎌田仁展 文化服装学院 遠藤記念ギャラリー(新宿)
2004年 第3回あさご芸術の森大賞展(準大賞)
2005年 イアック2005 ギャラリーマロニエ(京都)
2005年 第26回国際インパクトアートフェスティバル(京都市立美術館)
2005年 第36回奈良県美術人協会展(奈良)
2006年 京都美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館)
2006年 鎌田仁展  GALLERY はねうさぎ(京都)