2006.5.3 _ 2006.5.21
<紹介文> |
||||||||||||||
今回、iTohenにて第32回目となる企画展では、和歌山を拠点に精力的に活動を続ける佐藤貢(さとうみつぐ)氏をご紹介致します。
昨年の同時期に幣廊と、中津に拠点を置き 建築・デザイン制作を主軸としたギャラリー機能をも併設するサロン<パンタロン>にて同時開催したのが、彼にとっての初のまとまった発表となった。 そして夏、東京で古書と古家具を取り扱うlim Art(リムアート)が渋谷区恵比寿南に移転した記念すべき最初の企画展へと発展し、そして初秋 大阪府枚方市星ヶ丘のSEWING TABLE COFFEE(ソーイングテーブルコーヒー)での企画“月がほしい。”と2005年を締めくくった。 そして今展は新作のみ約30点を携え、約半年振りの発表となる。 佐藤氏の住まう和歌山県新和歌浦という所は、「海」とは切っても切れない縁のある場所と言えるだろう。彼の作品に扱われる素材(ゴミやら廃品やら)は波や海風により色々な所を彷徨った後 自然に、まるで当たり前のように彼のアイデンティティーを象徴するかのごとく、身辺のそこかしこに落ちている。 <ジャンク・アート>と言えばそれまでだが、しかし彼の作品の裏側から聞こえてくる微量な音や声は、それとは対極の所にあるように思われてくる。 イメージそのものは、彼が丁寧に絞り出すように作り上げたまっさらな“便箋”や“封筒”といった、何も文章が書かれていないもののように思えてくる。佐藤の作品に触れる人それぞれが、表現することに対して恐れることなく自分の言葉や言い回しで書き始め、推敲し、郵便ポストに投函した時に初めて感じ取れるものなのかも知れない。 果たして私は、彼の準備してくれる肌触りの上等な“便箋”に何を書こう。 <記> SKKY 鯵坂兼充 ・
|