2006.3.8 _ 2006.3.12
<紹介文> |
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今回、iTohenにて第29回となる企画展では、画家:原康浩をご紹介いたします。
原康浩は子供の頃からの夢であったイラストレーターになるべく、専門学校に進路を決める。そして商業美術の勉学と並行しつつ路上でのゲリラ販売を開始した。 しかし<販売>を前提にした作品制作に疑問を抱き始めるようになる。本当に自分が表現したいものはこんな行為ではないと・・・。 「他者の為に描くのではなく、己の為にこそ絵を描きたい。」 彼は<画家>として出発を決意して以来、若干22歳ではあるが、現在までに精力的に個展を含めた展覧会やアートイベントに参加している。 まさに「当たって砕けろ!」の精神が自身を奮い立たせているのであろう。 彼の作品の最大の魅力は、何と言っても画面に溢れんばかりの色彩であろう。その魅力を放つ多層的また多元的ともとれる色彩群は<音楽>が源泉とのことだ。 メロディーが彼の聴覚へと伝わり音のカタマリは線となり、激しいビートが色彩へと繋がり破壊と再生を繰り返しつつ構築されていく。 過去の展覧会では一括すれば抽象画ととれるスタイルが多く見受けられたが、今回の弊廊での発表は具象的要素を意識的に取り組んだ作品が登場する。 原の描く、誰もが認識できるモチーフを拝見するのは筆者である私自身も初めてなので、少し興奮を隠せない。 余談だが、本展会期中に彼は23歳の誕生日を迎える。偶然にも彼の祖母も同じ誕生日。既に他界してしまったが、純粋な気持ちで向き合えた祖母に対しての<レクイエム>と言ってしまえば大げさかも知れないが、展覧会を括るタイトルとして提示してきた「シワシワの手」は、それ以外の何物でもないだろう。 <記> SKKY 川上勝己 ・
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