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鈴木良治 個展「ヒトトヒト」

<紹介文> 今回、iTohenにて第27回目となる企画展では、
四国:徳島を拠点に活動を精力的に続ける鈴木良治をご紹介致します。
曲がりなりにも<ギャラリー>を運営してるのにも関わらず、「イベント」と言われる類にどうも惹かれない。
これは筆者である私自身が勝手に抱いている歪んだ既成概念に過ぎないのだが、
昨年の暮れに京都で行われた<ART JAM>は知人も多く参加していることもあり、
活動にも注目していたので出掛けることにした。既存のイメージとは少々趣が異なり、
各作家の意気込みや熱気が、伝わる密度の濃いイベントであった。
立体・平面・ パフォーマンスと様々なジャンルが入り交じる同会場を一巡する中に、
ひときわ空気の違う人物がブースの前に地を這うように座り込み、
何やら黒い画面に向かって黙々と作業を続ける人物がいた。それが鈴木良治氏だった。
不思議そうに眺め入る観覧者に対し、丁寧に対応し、
懸命に自分の制作姿勢を伝えようとするその人物に目が離せなくなった。
こういった人物こそ、もっと積極的にサポートすべき作家だと思い今回の企画展を開催して頂くことになったのだ。
鈴木氏は多摩美術大学在学時に版画を専攻する。
現在では油彩と並行して制作を続けているが、
何かと制約の多い版画では自身のイメージを凝縮していく作業とは違い、
ギュウギュウに梱包された荷物を丁寧に紐解いていく作業に近いと言う。
作品を拝見すれば一目瞭然だが、版画での作品は環境を含めた<場>を描いているのに対し、
油彩では人物が正面を向いて鑑賞者に対峙する。
幾層にも重ねられた色の層で出来上がる人物達は各々で<空気>を作り出している。
何よりも私自身が、彼の作品に魅力を感じたのは「デッサン力」である。最近では珍しく思える、
その基盤の堅牢さを感じさせる技術力に、
久しぶりに安心感を交えて眺めれる作品に出会えた・・・という印象である。

<記> SKKY 鯵坂兼充

<略 歴>

1973 千葉県生まれ
1999 多摩美術大学 美術研究科 版画専攻卒業
2003 第71回日本版画協会展
個展 WAKE UP ギャラリー
PRINTSEED展 ギャラリー神宮苑
第3回池田満寿夫記念大賞展 優秀賞
KYOTO版画展
徳島版画展
2004    第72回版画協会展 準会員佳作賞
個展 高松天満屋
日本版画協会展受賞作家展 星ヶ丘アートビレッヂ
松坂屋三越 広島天満屋 前橋煥乎堂
RINTSEED展 ギャラリー神宮苑
高知トリエンナーレ展
2005    第73回日本版画協会展 準会員賞 会員推挙
日本版画協会展受賞者作家展 星ヶ丘アートビレッヂ
京都版画展
徳島版画展

他 多数