今回、iTohenにて第129回目となる今展では、新鞍広彦展「Every Portrait」をご紹介致します。
勢い良く塗り込められた真っ白な下地剤(ジェッソ)。
その上に主にパステルを用い、 笑顔を讃えた人物を描き、佇ませている。
新鞍が最も得意とするこの構図。実は彼が学生時代から続けてきたものだ。
途中、ブランクがあったものの、今展を契機にイラストレーターとしての活動を本格的に始動すると意気込みを見せている。
幼少から「どうやったら他者に好かれるか?」ばかりを気にしてきたと語る新鞍。 彼にとって“絵を描く”という事は、コミュニケーションをとる上での有効な手掛かりだと早くから気付いていたようだ。
自分が創り出す世界観で他者に喜びを与えたいと、瞳を輝かせながら語る彼の気持ちに、嘘偽りが微塵も感じられない。
だからこそ、彼が下地に使う真っ白なジェッソが、より白さと透明感を増し、その純 粋さを伝えてくるのであろう。