弊廊で毎夏に開催している企画公募展に参加したのが契機となり、武藤良子の活動を知った。
自由闊達に画面の枠をはみ出してやろうと懸命になっている彼女の作品を観た瞬間、このiTohenで彼女の作品をまとめて展示したいという欲望に襲われた。
それは何故なのだろう・・。

彼女の作品には、絵そのものの＜味わい＞がある。
お味噌汁で例えるならば、高価ではなくともシッカリと旨みのでる昆布とカツオ節で出汁を取ってあるとでも言ったら良いだろうか。 とにもかくにも、インスタントの出汁ではない。
単刀直入に申せば、理屈抜きで「旨い」のだ。
聞けば筆者である私と同じく1971年生まれだ。なるほど、絵の奥からは昭和の香りもほんわり漂ってくる。

＜自由＞という際限の無いものに対しての憧れと同時に、恐れと謙遜な姿勢を感じる武藤の絵は、だからこそ私の奥底に響き、揺さぶってくれたのではないかと考えるのだ。

2004年 青山HBギャラリーにて初個展「点と線と色と」
2005年 目白ポポタムにてミニ個展「冬日」
2006年 神保町古書会館にて個展「雨乞い小唄」
2006年 目白ポポタムにて個展「空に鳴く虫」
2007年 代官山ギャラリーイッツにて2人展「玄関と台所」
2007年 目白ポポタムにて個展「茫々」
2008年 代官山ギャラリーイッツにて5人展「クギとカギと・・・」
2008年 大阪iTohenにて個展「日曜おんな」 　その他グループ展、多数

※今後の予定 2008年7月 原宿HBギャラリーにてHB FILE コンペ特別賞展参加
2008年9月 目白ポポタムにて個展