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時の経過と共に活動範囲を広げてきた彼女は、以前にも増し作品のサイズがズンズンと大きくなってきたようだ。筆跡をうかがうと、荒々しい息吹が十二分に感じられ、小手先ではなく身体全体で描いてるのが目に浮かぶ。下手をすると口で画材をくわえ、キャンバスに乗りかからんほどの勢いで描いているのではないかと思えてくる程の凶暴ぶりだ。
そして＜絵本＞という媒体を意識し過ぎた時代は、早くも彼女の中で消化された様で、絵そのものの魅力を引き出そうといった気概も感じる。

“水”＝いわゆる水彩を一切使わなくなった彼女は代わりにオイルパステルや、鉛筆といった乾燥を待たずに次の行程に進められる道具しか使わなくなってしまった。彼女は、『迷う』という仕事を放棄したのであろうか、捨て身の強さや潔さも感じる。

年の初めの勢いづけにはもってこいの展覧会だと、私共はミロコマチコと企て、共に楽しい事件の共犯者になってやろうではないか、といった気持でいるのだ。

＜記＞　SKKY／iTohen　鯵坂兼充

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ミロコマチコ