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辻元小百合 作品展「採集」

ここイトヘンでは3年振りとなる辻元小百合(つじもと・さゆり)さんの新作をご披露する機会となりました。本展は3月4日(土)よりスタートしました。


初めて辻元さんの仕事をご覧になった方は、きっと驚かれていることかと。そうです。全てが手で描かれた絵なのです。ここイトヘンでは3年振りの展示となりました。コロナ禍の最中も、変わらず、淡々と制作していたそうです。世の動きなど関係なく、辻元さんはあくまで自分のペースで、粛々と仕事を続ける人物です。
久しぶりに連絡を取ると、「いつでも展示できます。絵は沢山あります。」と辻元さん。ギャラリーを経営している私からすると、なんと頼もしい言葉なのだろう、、と感じた次第です。辻元さんは、ほとんどの誰もが生活の忙しさに追われて見逃したり、何とも思わない風景にこそ焦点を当て、丹念に、ただ描き写していきます。スキャナーのように、またプリンターのようにただ、自分の意志を通さず、絵の具をその画面に落として行くことを目指していると言います。
自分を介さない?普通、表現とは、言わば自己表現なのではないでしょうか・・?辻元さんの創作の姿勢は全く対極に位置します。雑草なのか、草っぱらなのか、描かれたどれにも光が注がれています。花が嫌いな人は少ないでしょう。モチーフとしても“描き甲斐”があると思います。辻元さんも、このように描かれていますが、どれもが言葉を放っているように感じます。しかし、盛大でも華美でもなく、密やかなささやき声が聴こえるように私は感じました。
有名な方が大きな声(テレビやSNSなど)で話す言葉は広く届きます。しかし、“響く”わけではないと思うのですね。辻元さんの声は、後者のささやき声に近いと思います。そのささやき声が創作を通じて獲得したものだからこそだと、少なくとも私には“響いている”と感じるのです。


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