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佐藤 貢 展 “108 Crosses”

iTohenでは3年振りの展示となりました。今まで、タイトルなど指定してくる作家ではありませんでしたが、今回は思うことがあったのでしょうか。“108 Crosses”と言う言葉を展覧会のタイトルに掲げたいのだ、、と連絡

108。佐藤さんは“数”のことについて出会った頃から、いわばうるさいぐらい言い続けてきました。うるさい・・とは言い過ぎでしょうか。こだわりと言い換えた方がこの場合、相応しいかも知れません。
108と聞けば、これを書いている私の脳裏に浮かぶのは、百八つの“煩悩”(仏教の教義の一つで、身心を乱し悩ませ智慧を妨げる心の働きを言う・・とあります)の数。そして、Crossesは十字架。宗教的な面だけでみると、西洋と東洋がいわば混ざった組み合わせ。どちらかの宗教を信奉する方にとってはあり得ない組み合わせとも思えます。現代的に言うのであれば、“リミックス”とも言い換えることができるでしょうか。もう一歩、突っ込んで“リブート”、言わば彼なりの“再起動”と言えなくもない。どのような気持ちで108個に及ぶ十字架を創り続けたのかは、佐藤さんのみ知るところです。そして、それを目にした私は、思うのです。この108個の十字架の意味を考えるのは、“私にしかできない”ことなのではないかと・・・。

ぜひ、この機会に会場まで足をお運びください。

記載=鯵坂兼充