2016.4.27 _ 2016.5.8
iTohenにて第318回目となる展示は、iTohen第一回公募展「PACKAGE」 で 最優秀賞を獲得した岡村絵理さんの個展を開催しております。
2003年より独学でシルクスクリーンを学び作家活動をスタートした岡村絵理さん。 現在では、シルクスクリーンや木版画、コラグラフなど様々な 技法を用いて作品を制作されています。 彼女の作品からは「PRINT」を広い意味で捉え、 表現技法・方法にとらわれることなく、 自由に表現されていることが、作品を通して感じることができます。 岡村さんの作品の題材は「記憶」だと言います。 幼い頃の記憶、昨日あったこと、微かにしかない朧げな記憶などを、 その時々に呼び覚まし、今の自分が面白いと思える感覚で作品へと変換しているようです。 今の自分と過去の記憶とが自然と重る瞬間を待ち続け、 重なったその瞬間を逃すまいと、体を動かし紙(媒体)へと定着させる。 なによりも、「自分自身を楽しませる」ことを大切に制作を続けている岡村さんの作品を、 ごゆっくりご高覧頂けますと幸いです。
iTohen 米須 清成
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記録の中から何を引っ張り出してどのように扱うかは、紙やインクや道具に向かったその瞬間の自分にしかわからなくて、その新鮮で自然なイメージと作業を、紙に刷り込むことが自分自身をワクワクさせます。また新しい見方がそこに生まれるからです。
私にとっての版画は、自分の中にあるものを紙に映し出す写真のようであり、記憶のパーツを形にし、重ねたり入れ替えたり組み直したりすることで自由に遊べる方法です。
それは物事の境界線を柔軟にしておくことが私らしく居られるからかもしれません。
普段観ている三次元の風景も、平面的に眺めることで、制作イメージの世界が広がります。そして、視覚が平面と立体の行き来を繰り返すのは、主観と客観を行き来する感覚と似ています。
岡村絵理 作品集(2016年 iTohen Pressより発行)
「PRINTED」より引用
岡村 絵理 website
http://pannalila.wixsite.com/eriokamura