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西山 勲 写真展 「ビハインド・ザ・シーン」

iTohenにて第312回目となる今展では、西山勲 写真展[ビハインド・ザ・シーン]をご紹介致します。

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西山勲さんと初めてお会いしたのは彼の地元の福岡でのことでした。それが2012年の6月のこと。ミロコマチコさん(絵本作家・画家・イラストレーター)の巡回展をこの福岡(警固)にあるALBUSと言う場所で展示させて頂き、その世話役として同行した折に、このALBUSの代表である酒井咲帆さん(ここiTohenでも2013年6月に個展を開催)にご紹介を頂いた一人が西山さんでした。

寡黙な印象ですが柔らかい笑みを常に絶やさず、初対面でも旧知の仲だったような人物。親しみを込めて言うならば、ごっつ感じのエエ兄ちゃん。そんな印象を与えてくれました。

その時は福岡でグラフィックデザイナーとして生計を立てているのだ、と教えて下さいました。

それからしばらくして写真展を開催するのだとお知らせを頂いた時『なぜ、写真なんだろう?』と率直に驚きました。しかも単身モロッコに向かい、そこで撮りためてきたという。距離を理由に拝見出来ずにいましたが、そこで行かなかった自分の行動力のなさが今、悔やまれます。

それからしばらく、するすると時間は過ぎて行き、また久しぶりに連絡を頂くと今度はその生計を立てているデザインの仕事の全てを一旦精算し、2年間の旅に出掛けると言うではないですか・・。そして選択した現地(海外)で興味の湧いたアーティストに取材の約束を取り付け、話をし、話を聞き、テキストに起こし上げ、さらには撮影や編集・デザインなどの言わば全てを一人でこなす雑誌を作ると言う。。。

手元に届いた1冊目の本、これが『スタジオ・ジャーナル・ノック』なるものでした。西山さんには連絡を頂く度に驚かされます。 しかもその本の精度たるや、さすがデザインの仕事に長年従事されただけあると、関心せずにはいられない代物でした。何よりページの一つ一つに愛情を感じます。聞けば制作環境の一切(例えば、現像やフィルムの調達はもちろん、編集作業も)を現地でやり遂げることを一つのルールとして過した様子。彼なりの流儀として掲げた方針だったようです。

そうやって、現地で築き上げた西山さんの独自のスタイルがいよいよ確立してきた様子で、そこに頼もしささえ感じる様になりました。

彼の行動を広くみなさんに知って頂きたい想いが強まり、展覧会まで発展することになったわけです。

今回は、新作を中心に約50点の写真作品を準備されています。この機会にゼヒ、会場まで足をお運び下さいませ。

iTohen 鯵坂兼充

Studio Journal knock

PHOTO EXHIBITION “Behind The Scene”