2013.12.11 _ 2013.12.28
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iTohenにて第260回目となる今展は、「iTohen開設10周年記念展」と題して、これまで展示をして下さった方にお声掛けをして、小品を約90点を展示する機会となりました。
2003年の12月21日と、今思い返せばなぜこんな年末に・・と言う日からスタートしました。十年一昔と言葉にあるように、一つの区切りが出来たように感じています。大阪は北区でも、ここに御越し下さったことのある方は御周知のようにどの駅からも「わざわざ」歩いて来るような、辺鄙な場所にあります。そんな不便な場所にも関わらず大勢の多種多様な方々に御越し頂き、成立することが出来ました。近隣にお住まいの方々には、我々の存在は不思議でしょうがないはず・・と想像に難くありません。
なぜ、ギャラリーだったのか? なぜお茶もあって、本も置いて、なんでiTohen(いとへん)なんですか?と言ったご質問は、数限りなく頂戴する10年でした。僕はそもそも某デザイン系の専門学校で講師をし、銅版画やシルクスクリーン(言わば版画全般)を教えるという事を生業にしていました。そこで疑問が沸いたのです。ここで書くにはあまりに個人的すぎて、長過ぎて収拾がつかなくなりそうなので割愛させて下さい。ともかく、頭の中にひしめく「?」を解決しない事には、前に進めない恐怖に近いものを払拭する必要を感じたのです。
当時の教え子3人(藤本直也は現在、カメラマンとして自立、川上勝己は木工職人として今や一人前に、そして角谷慶は変わらず共に仕事をしています)と、元先生の僕で始めたこの場所は、あまりにも計画性が乏しく、2004年の夏前には既に経営として成り立たない状況まで落ち込みました。それはそうでしょう。前述のように、ここは「わざわざ」歩いて来なくては行けないところなのです。
お客様の立場になれば、そんな条件ではなかなか貴重(有限)な時間を削って出向こうなんて考えないはずです。
そんな客観性さえ失っていた自分がいました。 ところが、とある方(やはり芸術を心の基盤にされている方)に勧められ、「うどん教室」が始まり、絵に興味の無い方が来て下さるようになりました。でも、逆に壁が無いと言いますか、素直な気持ちで絵を見て下さいます。あぁ、そうか。芸術は何も特別な知識を持って接するものでもなんでもないのだ・・と気付けた瞬間でした。それからは、会ってみたかった人が「向こうから」来て下さる機会が増えました。「他力」と言う言葉の意味も実感し始めた頃です。そういった嬉しい機会や、気付きを与えてくれる方はたいていが作家さんだったのです。
これを読んで下さってる方で、絵を買われたり彫刻を買われたりした事がある方はいますか?そう言ったことをお聞きすると、よく返答として聞かれるのが「いや、うち狭いから・・」「マンションだから壁に穴を空けられない・・」。
心配には及びません。そんなに大層な事ではありません。僕は、このiTohenと言う場所を通じて、絵を買って頂く事の敷居を低く出来たら、と考えています。なぜなら、意を決して買った時から、その方の普段の生活にほんのわずかですが「彩り」を添えてくれるから。その「彩り」は、小さな点(絵)を基点にして様々な可能性を開いてくれます。これは間違いありません。なぜなら、僕がこの10年で実感したことですから。
SKKY/iTohen 代表:鯵坂兼充