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森永 真紀 写真展「汀の静物」

iTohenにて第212回目となる今展では、関西を拠点に活動を続ける森永 真紀(もりなが まき)氏をご紹介致します。

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ガラス、器、本に落ち葉・・など、森永さんの作品の中に登場するものは、いたって奇をてらうこともなく、私たちの日常にも頻繁に接触するものばかり。
しかし、その組み合わせが森永さんならではで、モチーフに何かの意味を見出して、頭の中で物語を作り始めると、どこへでも身一つで旅に出掛けられそうな錯覚を持たせてくれます。
どの作品も小ぶりで、しかし頑なにフィルム写真にこだわることが、そういった郷愁感に似たものを感じさせるのかも知れません。

作品のサイズに意味があるのかを問うと「写真を撮ることで、手紙を書くような気持ちになる」と言います。なるほど、たしかにどれもがポストカードのサイズに近しく設定されています。

展覧会のタイトルとしても掲げられている「静物」。
室内で、丹念にライティングをされた絶妙な塩梅が見て取れます。

10代で気鋭の写真家であった山沢栄子氏に師事。ライティングに対しての技術、思想を学び、学生時代にはアーネスト・サトウ氏に構図の重要性を学んだと言います。変に反発するのではなく、その二人の偉大な先駆者の後を、丹念に見つめ、守り続けたいと語る森永さん。

今展は、20余点の新作ばかりを準備して発表にのぞみます。
是非、開催期間中に足をお運び下さいませ。

<記>  iTohen 鯵坂 兼充

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森永 真紀_Maki Morinaga

1962 大阪生まれ
1985 京都市立芸術大学美術学部卒業
1987 同大学院造形構想科修了
1977年より山沢栄子氏に師事
1982年よりアーネスト佐藤氏に師事

個展
1983 番画廊(大阪)
1987 オンギャラリー(大阪)
1989 ギャラリーVIEW(大阪)
1990 オンギャラリー(大阪)
1992 ギャラリーVIEW(大阪)
1993 画廊ざぶ(大阪)
2000 ギャラリー4匹の猫(大阪)
2008 ギャラリー4匹の猫(大阪)

グループ展
1983 第7回京都芸大映像教室写真展(京都堺町画廊)
1985 映像設計大学院展(京都芸大ギャラリー)
1985~ギャラリーVIEWにて毎年カレンダー展等に参加
2000~ギャラリー4匹の猫にて、グループ展に参加

1989.3~1991.2まで大阪読売新聞連載「女うた男うた」のカット写真を担当。
「女うた男うた」・「女うた男うた2」がリブロポート社より単行本として発刊。
1993.1~1993.8まで大阪読売新聞連載「女たちの文学」シリーズのカット写真を担当。