2011.11.30 _ 2011.12.11
iTohenにて第209回目となる今展では、関東を拠点に活動を続ける福田紀子(ふくだのりこ)氏をご紹介致します。
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福田さんの絵の題材となるのは、日々を過ごす生活の中で“ハッ”と気に掛かったものや
風景なのだと言います。
たとえば…
夕飯の具材として捌いた魚
食べた後に無造作に置いたバナナの皮
冷蔵庫を開けたときに目に飛び込んできた牛乳パック
横になる亭主…
なるほど、福田さんはこういう場面にココロを宿したんだな…と、絵の背景を想像している内に
ふと、構えることも、背伸びすることもなく、これらの絵を観賞している自分が居ることに気づきます。
そもそも「これは一体ナニを表現しているのか?」
そんな禅問答のようなやりとり自体、福田さんの作品からは微塵も感じられません。
「表現って(特別なものではなく)生きている時にあたりまえのようにしていることだ」
という福田さんの言葉が非常に印象に残ります。
「表現をしないヒト」と言えば、誤解されるかもしれませんが、
例えるなら“けれん味のない料理”と少し似たものがあるのかも知れません。
下手な演出と味付けをせずとも素材の“旨み”がきちんと引き出されていて、器の上でも誤魔化しがない。
作品に彼女の生き方そのものが滲み出ているからこそ、
そう感じられるのかも知れません。
『いきいきにあこがれる』と題された今展では、新作15点の絵と散文を展示。
大阪では約2年ぶりの発表となります。
是非、この機会にご高覧下さいませ。
<記> SKKY | iTohen 角谷 慶
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福田 紀子 Noriko Fukuda
1977年 横浜生まれ。東京都在住。
個展
2008.1「goronote」月光荘画室1:東京
2008.6「goronote」cafe gallery リトルコ:東京
2009.6「goronote」ソーン・ツリーギャラリー:東京
2009.8「goronote」巡回展 beyer:大阪
2010.2「山とクリーム」やぶさいそうすけ:東京
2011.4「山を見に行った」やぶさいそうすけ:東京
グループ展
2007.1 企画展「繕いの便り展」sewing gallery:大阪
4 企画展「窓ー広がる空間,つながる時間ー」sewing gallery:大阪
8 「ムーンライト展」月光荘画材店:東京
2008.1 企画展「繕いの便り展」sewing gallery:大阪
8 「ムーンライト展」月光荘画材店:東京
12 「ART MARKET vol.11」tray:東京
2009.1 企画展「繕いの便り展」sewing gallery:大阪
2010.1 企画展「繕いの便り展」sewing gallery:大阪
2010.4 「谷中たんこ部 やぶさいそうすけ一箱古本市」やぶさいそうすけ:東京