2011.10.26 _ 2011.10.30
Meeting in fog
不意に現れた影。
削り出すのはたちこめる霧。
どんどん白く、深く…浅く。
<記> 豊島 舞
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iTohenにて第206回目となる今展では、豊島 舞(とよしままい)氏をご紹介致します。
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昨年度、毎夏開催している企画公募展[おんさ]に参加して頂いたのを契機に、彼女の存在を知ることになりました。
100名を超える参加作家の中で“銅版画”という表現メディアを選んだ作家はほんの少数しかいません。言わば“マイノリティ”です。
少数派の表現方法だからこそ、豊島さんの作品が印象に残ったのかもしれませんが、しかし彼女の作品は白い紙に青一色の鳥の絵が刷られた非常にシンプルな構成で、通例の版画作品ではではあまり感じることのない“軽やかさ”がありました。小さな画面の中に風が吹いているといえば仰々しいでしょうか。
また銅という金属を用いているにも関わらず“柔らかさ”も同時に感じられたのです。その点が私にとって非常に魅力的に感じられました。
豊島さんの銅版画は、アクアチント(*) という技法を主に用いてますが、これは作業工程も多く、意外に煩雑で手間暇が掛かります。そして必然的に“待ち時間”という要素が多く含まれことになってきます。“待ち”は主に銅版を腐食させている時間や“版”を乾燥させたり冷やしたりの時間にあたりますが、言い換えると自然現象に身を委ねている時間でもあると言えるでしょう。
作業の一切を自分でコントロールできるのではなく“あずける時間”をあえてつくっている… そうすることでより客観的な視点で創作が可能になるのでしょうか。豊島さんはその“交信”にも似たそのものを積極的に楽しんでいるかの様に見えます。
違う視点からとらえてみると、あたかも気のおけない友人と戯れながら、心地よいリズムで会話をしているような感覚なのでは、と見受けたりもしたのです。
豊島さんの作品にたびたび登場する“青い鳥”は、彼女自身を投影するかのようであり立ち込めては消えていく“霧”のように能動的な姿を私達に見せてくれます。
皆様、この機会に是非ともご高覧下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
(*) 版画の凹版技法のひとつ。銅を腐食させ腐食防止用の防蝕剤(松脂を細かくパウダー状にしたもの)を布の袋などに入れて、銅版に振りかけ、熱で定着させた後腐蝕する。防触剤の隙間から覗いた銅版が腐蝕され、ざらざらなサンドペーパーのような面が出来る。濃淡は腐蝕の時間で加減する。_Wikipedia
<記> SKKY | iTohen 角谷 慶
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豊島 舞 Mai Toyoshima
1983 大阪生まれ |
個展 2007 2010 2010 グループ展 企画 |
豊島 舞 展 -ここではないどこかへここではないどこかより-(R・P/東梅田) MUSIC BIRD(1963/難波) Beautiful cloud(CERO/堀江) 紅梅町版画工房展 大阪から仙台へ -色を纏う言葉の無い手紙-(yutorico./仙台) |