今回、第191回目となる本展では、関西を中心に活動する作家:鍛治本武志(かじもとたけし)をご紹介致します。 iTohenでは初となる発表となります。
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とても自信なさ気に突然の電話をもらいました。
『作品を見てほしい。展示場所を探してるんです。』と少しだけ悲壮感漂う相手が
鍛治本さんでした。
活動歴を見ても、決して少ない方ではありません。
作品そのものを拝見しても堂々としたものです。
その自身の無さはどこから来たものなのか、少し妙な<角度>ですが、
この点が、私が非常に興味を持った一つの要因です。
さて、作品に話を移行します。
『虫』なのか『人』なのか、はたまた『コスプレイヤー』なのか
スコーンと抜けた風景の中に、その者たちが遊んでいるのか、イタズラをしようとしているのか・・・
ともかく物語を作らんと登場しています。
かのシュールレアリスト達が好んで多用した<デカルコマニー>と言う技法が
匿名的な者たちを彩っています。
キャンバスに描かれた風景は、初期のテレビゲームのような必要最低限の構成。
<RGB>のモニターを眺めている錯覚にとらわれます。
鍛治本の言う『万華鏡』的な世界は、私と言う鑑賞者を画面に登場させた時に初めて
体感出来るのかも知れません。
皆様、ぜひご来場くださいますよう、何卒宜しくお願い致します。