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久保友作+山田コウ展「RA touch A law」

 iTohenにて第174回目となる展覧会では、関西を拠点に活動する作家、久保友作氏(平面)と山田コウ氏(写真)の作品をご紹介致します。


久保氏の作品は、かれこれ10年ほど前だろうか。コンテンツ・レーベル・カフェ(現:ミリバール)で拝見したのが最初だ。大きなコラージュを施した作品だったはずだ。
なぜだか、気になり観に出かけたのだ。それから彼の作品に触れる機会が遠ざかっていたが、突如としてまた目に触れる機会を得た。
その時に、10年前に観た作品の印象とはガラリと違うことに素直に驚いた。 同時に展示する山田氏の言葉を借りると、たしかに久保の作品は「男前」な印象を持つ。黒い画面にしたためられた人物や(時には自画像も含むのか)、建築物と思わしきもの。強い雨風にさらされた跡に残る抽象的な風景のようなもの。どれもが作家の筆致を強く強く感じさせる。その点で非常に男性的と見て取れるかも知れない。

一方、写真の山田氏は相反するように「静的」だ。写真なのに、どれも正確に描き表した静物画のような佇まいだ。
陰と陽、太陽と月の関係が切っても切れないように、久保と山田は、互いの作品を通じて惹かれあい、また尊敬もしているのであろう。言葉に表現出来ない「霊感」に近いもので通じ合ってるようだ。

なぜ、二人展なのかと質問してみた。
すると「視線を配ったあと、その場に残る気配が似ていると思うんです。」と久保氏が言い述べてくれた。
これは、「時間の経過」に注視した言葉ではないだろうか。

目の前に在る実像。
目の前からいなくなったが、残る虚像。

「リアル」と言うものに対して頭に残る奇妙な違和感が、彼らの創作意欲を掻き立てるのであろうか。真実を知りたいと言う欲求を強く感じる。

小高い丘の上に立つ、細くも立派な存在感を醸す一本の木。
その周りを匂いや熱気をはらんだ風が吹き荒れる。
この二人の関係を、風景に落とし込んで想像した時、そのようなイメージが脳裏に浮かんだ。

(記)SKKY/iTohen 鰺坂兼充

久保友作(くぼゆうさく)/ 画家

1980 OSAKA
—–Exhibition—–
2000/8 『stereolympic』
2002/9 『Fax you』
2004/1 『Olmypic』
2007/4 『Onset and Course』
2007/9 『Re: Onset and Course』
2007/10 『Dark Room Manual』
2007/11 『Onset and Courses』
2008/4-2008/7 『七分儀 no.1』
2008/8 『60’s』
2009/1-2009/2 『iTohen企画 推薦作家展』
2009/5 『EXPOSED#4 [PROJECTion]』
2009/11 『p2g collection [matter ingot]』
2010/2 『SILICON DIE GRAPHITE』
2010/2 『Level2 cache die』
2010/3 『A`xtra Terrestrial Intelligence』
2010/7 『HOAXの牛耳』

—-Publication—–
2004 『three』[olmypic]
2008 『DECAPITRON 18 By Yusaku Kubo』[shoboshobo-books(PARIS)]
2009 『COBRA』[olmypic]
2010 『QXR』[CeTi]

—-Work—–
2008 ・Artwork for Masayuki Imanishi first CD album “LAND” [Deserted Factory]


山田コウ(ヤマダコウ)/ 写真家

1979 大阪生まれ
2001 六本木RYUスタジオ退社
2003 東京写真月間「20代作家の挑戦 IN & OUT」 東京都写真美術館
2004 個展「ハナモゲラ」 digmeoutcafe
2009 グループ展「no more teacher」 Bloom Gallery
2010 グループ展「Exposed.A.C」 黒目画廊