2009.7.15 _ 2009.7.26
「おんさ展」は関西の複数のギャラリーが 一年に一度、協同で開催している多人数参加の公募展です。
音叉は弦楽器の調律に使用されるU字型をした道具です。複数の音叉を用意し、ひとつだけ叩いて音を鳴らすと、音の振動が離れた場所にある音叉に伝わり、音が鳴りはじめます。これを共鳴と言います。本展ではこの共鳴を起こす源である音の振動〈響き〉をメインテーマにしています。
離れた場所にあるギャラリーが同じ目的を持ち、協同で展示を行うことで、場と場の共鳴が起こり、そこから作家と場、作家と作家、作家と観賞者、作品と観賞者というように響きの連鎖が広がっていきます。ギャラリーがひとつの音叉であり、作家や作品、そこに訪れた人もそれぞれが音叉です。文化は作られるものではなく、人と人が関わることで自然発生的に生まれ、ゆっくりと育まれていくものだと考えています。
ここから生まれた共鳴もそれぞれは小さな音かもしれませんが、それが文化の源になり、ゆっくりと育まれていければと願っています。今年も「おんさ展」からそんな“響き”の発信を続けていきます。