STORE

iTohen

exhibition

past

山本 恵 展「ウロの庭」

<ウロの庭>
シュムッツラー氏は庭の番人である。

足は一本。思うように動かない指。
すべての音は遠く、自分の心臓の音がいつも聞こえている。
目には膜がかかり、世界は水の中にあるように見える。

庭にはさまざまな彫刻が配置されていて、中央にある球体を彼は毎朝磨く。
ぴかぴかに磨かれた球体に片目を近づけると、目玉が大きく 映し出され、
球体は彼の目の役を果たす。

膜が晴れ、くっきりと世界が見える。
逆さまではあるけれども。

記  山本 恵

<紹介文>
iTohenにて第147回目となる今展では、関西を拠点に活動を続けている山本恵(やまもと めぐみ)をご紹介致します。

*
存在感の薄い白に、ほんの少しだけ、卵の黄身だけを混ぜたかのような色彩に縁取られた 四角い箱。
山本の作品を象徴する、その立方体の中には、様々な素材が色々な “事情”を抱えて
不思議な調和を完成させようと努力しているかのように感じられます。

[ウロの庭]と題した今展。
“虚(うろ)”について彼女の密やかな字でしたためられたメモを頂きました。
「山中の洞や巨木の根本に穿たれた虚には精霊が宿ると されている。」

彼女は、この箱=庭の中で、目には見えない精霊を待ちわびてるのでしょうか?
空気の淀みの一切もが入り込まない庭の中で。

皆様、是非ともご高覧下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

記 SKKY | iTohen 鯵坂 兼充

山本恵 YAMAMOTO Megumi

1972 大阪生まれ

1993 奈良芸術短期大学 情報デザインコース卒業
1993 造形作家 松田 豊氏に師事

<個展>
1993 ギャラリーdo(大阪)’94’95’97
1997 ギャラリー クオーレ(大阪)’99
2000 ギラリー賛(京都)
2000 ギャルリ Ou(大阪) ’01
2000 日下画廊(大阪)
2001 画廊 編(大阪)’04 ’06
2002 ギャラリー Den(大阪)
2003 ART INCUBETHION2003 グストハウス(兵庫)
2003 RIFF RAFF (東京)
2008 「GHOST STORIES2008」リムアート(東京)
2008 「TREATMENT ROOM」LADSギャラリー(大阪) 他グループ展等多 数参加