2008.12.17 _ 2008.12.28
[感覚ときもち]
これまで出逢った、とても大切なことや、それに伴う美しいもの、
残酷なこと、そしてやわらかな闇。
そんな鱗片をひろい集めて、こちらの世界にすくいたい。
それは、あたたかい光とつめたい光の間に身を置いて、みつめているようです。
感覚ときもちに素直になれること。
今までいろんな表現をこころみましたが、やっぱり絵画にもどってくるのです。
ただいま。いってきます。をくりかえしていると
ときどき、何かおおきな存在に「こっちだよ。」と
手をひかれるようなときがあるのです。
そんな引力に誘われて、感覚でそちら側に触れたとき
いつのまにか、ここにいて、そしてまたつながっていく。
部屋のベランダからは、ふかく澄んだ海のような森が、空まで広がっています
<記> 川村 愛
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<紹介文> |
iTohenにて第137回目となる今展では、関西を拠点に活動を続ける川村愛(かわむらあい)氏をご紹介致します。
川村は個人の作品制作以外に、ダンサー:下津浦瑞希(しもつうらみずき)とのユニット[風色-fuushiki-]の活動や[Popol-Vuh ポポル・ヴフ(*)]というダンスパフォーマンスユニットの美術担当など、他者との共同制作を積極的に行っている作家だ。 今展の打合せで川村に対して問いかけた質問の一つに「その3つの表現活動を自身の中でどう区別しているのか?」と投げかけたところ、「主観と客観の割合を変えている」と端的に答えてくれたことがあった。川村のコメント(ただいま。いってきます。…)にもあるように、その“主観と客観の往復”こそが、彼女自身の中にある≪唯一の居場所≫を明確に仕立て上げているように思える。 ベランダの先に続く果てしない『森海』。その広大な世界に、点在してひかる“灯火”を見つけては、彼女はそれを丹念にすくいあげて≪唯一の居場所≫へと持ち帰る。そのような風景が私の脳裏に浮かんでくる。 だからだろうか。川村の絵画からは人知れぬ静寂さと淡い体温を同時に感じさせてくれるのだ。 今展は新旧合わせ約35点を発表し、2008年の展示を締め括ってくれます。 |
<記> SKKY/iTohen 角谷 慶
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川村 愛 Ai Kawamura
1981 | 高知県生まれ。 | |
現在、東大阪市民美術センター創作講座非常勤講師。 | ||
2002 | 京都嵯峨芸術大学短期大学部日本画コース卒業 京都造形芸術大学通信教育部環境デザイン学科ランドスケープデザインコース入学 |
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2005 | 在学中「アートとランドスケープ」というテーマで卒業制作を開始。 「その土地に入り、そこで感じた色とかたちをすくいあげ、表現することを通して、その場所にとどまる想いを、天に、地に、還す。」をコンセプトに「風景インスタレーション」を制作。
8月…アサヒアートフェスティバル・京都天若湖アートプロジェクト参加作品 |
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2006 | 卒業制作「アートとランドスケープ」奨励賞受賞 京都造形芸術大学通信教育部環境デザイン学科ランドスケープデザインコース卒業。 3,5,11月…「popol-vuh」宣伝・舞台美術・出演 |
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2007 | 3月…東大阪市民美術センター創作講座講師展「美セッション」(東大阪市民美術センター平面作品) 7月…「popol-vuh」宣伝・舞台美術/公演「花争い」(京都 shin-bi [studio KINO]) |
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2008 | 4月・5月…「はとはな」ちいさな葉と花の絵の展示 (京都一乗寺 天然酵母パンの店 こせちゃ) 6月… 下津浦瑞希とのユニット「風色 -fuushiki-」の活動を始める。 |