今回、iTohenにて第133回目となる今展では、関西を拠点に活動を続ける辻元小百合 (つじもとさゆり)氏をご紹介致します。
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まず辻元の作品を紹介する際に断っておかなかればならないことがあります。彼女の作品は“写真ではない”と言う点です。
単にリアルな場面やドキュメンタリー性を求めた表現ならば写真で充分でしょう。わざわざ絵にする苦労も必要ないのです。しかし、辻元の場合、“絵でなくてはならない”。それは何故か・・・?
辻元のコメントにもあるように、彼女は描きながら絵と言う生き物を“育てて”いるのです。それも感謝の気持や祈りを花々の花弁の隙間に込めて。
モチーフとなる花。この対象物にも近年、ますます距離を縮めていっているようです。 それは感謝の気持ちを表現することに対して、“恥ずかしさ”を伴わなくなったからでしょうか。 この空間に、あちらこちらと花を咲かせ、一つの花束にしたいと考えていると言う辻元。
そんな空間に自分が居合わせることの出来る幸福。私はそんな気持ちを、恥ずかしさを捨て観覧者に代弁したいと意気込んでいるのです。
本展では新作のみ、約20点の展示を予定。何卒ご高覧頂けますよう宜しくお願 い申し上げます。
<記> SKKY/iTohen 鯵坂兼充
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辻元小百合 Sayuri Tsujimoto