＊ 丹念に塗り込められた画面に一匹の子猫。
目だけが異様に誇張され、観賞者である私を視る。しかし私とはいつまでたっても視 線が合わないのだ。ここである一定の距離感を感じる。この場合、“間合い”と言っ ても良いだろうか。拒絶では決してない。

口が描かれて無いところを見ると、なき声を発する気配は無さそうだ。そんな気など毛頭無い、 と言った印象も受ける。『私を感じろ。』そう投げかけているのかも知れない。 しかし、突き放された印象は受けない。それはなぜだろう・・。

色彩の柔らかな組み合わせと、その子猫の毛を表現するために塗り込められた愛情溢 れる筆運びの為であろうか。

自身にとって初となる個展。
今、まさに子猫のごとく日 進月歩な急成長を見せる未塵子。グングンと伸びゆく成長ぶりを楽しみにしたいと思う。

＜記＞　SKKY／iTohen　鯵坂兼充

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未塵子