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中村晃大 展「日光」

<紹介文>
大阪を中心に、京都、神戸、東京と精力的に活動を続けてきた中村にとって、幣廊では約2年振りの発表となる。今回は、新作平面に加え初の立体作品が登場。

2002年から非常に精力的に発表を繰り返し、ここ最近は、一時期異常ともとれる展覧会の量に比べると緩やかなスパンになったが、それは<平面>で表現をしなければいけないと思いこんでいた自分に対しての煮えたぎらない、ある種のつまらなさを感じたのが起因しているようだ。

学生時代、<商業美術(イラストレーション)>を学んで来た彼にとって、その仕事の持つ運命とも言うべき“使われ易さ”に戸惑いを感じたのかも知れない。一体、誰の何の為の創作なのか、と言うことを。

彼が自身で創作をしながらも、第三者の作品を観て惹かれるものが、何故か全て<立体作品>だったという。意識の底の方で、その表現方法に憧れてもいたし、嫉妬と同時に可能性も感じたのかも知れない。そして、そこに軽々と踏み込めない苛立ちもあったのだろう。

本来私たちは優れた<触感>を生まれながらに備えている。しかし、現代の生活の中でそれらが活かされる場面や機会は極めて少なってきた。便利で簡単なモノは、そういった機能をじわじわと奪っているのかも知れない。中村は、そのことに退屈と危惧を感じてしまったようだ。

“触れる”ことにより、ある種の恍惚感と想像力が喚起されることを、今展に望むに当たり“思い出し”、
陰鬱とした影の場所から、陽の当たる環境へともう一度移動してみる。そういった気持ちが、展示の括りとして題した『日光』に表現されている。

ユーモラスに、時には辛辣にこちら側へと語りかけてくるキテレツな体や顔をした“着ぐるみ”を着たような人物達。中村の作品は何と言っても観覧者との“距離感”が絶妙だ。独特の『ボケとツッコミ』さえ感じると言えば冗談が過ぎるようだがしかし、これが彼の魅力を支えているのではないかと私は感じているのだ。

<記> SKKY_鯵坂兼充


私たちの祖先にはもともと<平面>という概念が無かったのではないかと思う。

聞いた話ではあるが、現在も原始的な暮らしをしている人々に<動物>をスケッチで表してもらうと
私たち日本人と比較した場合、幼児程度のものしか出来上がらないそうだ。しかし、制限を無くし
そこら辺の木や枝、石、その他 何でも使って良いというふうに条件を変えると、とにかくスピーディに
“味”のあるものを作り上げてしまうらしい。

よくよく考えてみると、指、手、足、それら皮膚の精巧なセンサーを最大限に活かして読みとったものを
わざわざ平面に置き換える方が高度な技術を要すると言うものだ。

勝手な見解ではあるが、そういった感覚をフル活用する事が
中村にとっての何よりの快楽剤となり、恍惚をも与えてしまっているのではないだろうか。

彼の描く生き物達の顔は、そんな中村の<魂>をそっくり宿してしまったような表情をしていて、
実に気味が悪いのだ。(良い意味で)

<記> SKKY_角谷 慶

中村晃大 Codai Nakamura

2005

1_ LPジャケ展参加 Cafe NEUTRAL
3_ 3人展 <猿とジャムとネオン街> Gallery SPOON
4_ ART stream 2005 サントリーミュージアム海岸通り
9_ みんなのいとえ iTohen
10_ ART stream riverplace 2005 Live painting 湊町リバープレイス
ナカムラコウダイ個展 <NEE-TOO> iTohen
11_ Live painting Gallery &’s

2006
6_ ナカムラコウダイ個展 <MEAT> Gallery Moguri rooM
8_ そらみいと iTohen
10_ ART stream riverplace 2006 Live painting 湊町リバープレイス
11_ ナカムラコウダイ個展 <FATMART> Cafe NEUTRAL

2007
3_ LPジャケ展参加 Cafe NEUTRAL
4_ ART stream riverplace 2007 湊町リバープレイス
ラストハンカチーフ&やっぱりやるか名刺展 Gallery Moguri rooM
5_ デザインフェスタ#25 東京ビックサイト
6_ 1000000人のキャンドルナイト 梅田茶屋町
8_ ART HOUSE 7周年特別企画「7展」 ARTHOUSE
11_ デザインフェスタ#26 東京ビックサイト
JOINT ART BATTLe 2007 富山
中村晃大個展 <日光> iTohen