広島県の瀬戸内海に浮かぶ生口島（いくちじま）で生まれ育った彼女は、 進学を機に大阪へと住まいを移し、 学生時代にはコンピューターグラフィックスを専攻した。
しかし、次第に“自分の手で何かを創る”というダイレクトな作業に興味は移行し、
同学内にある商業美術を学ぶコースへと転科する。

過去に数々の公の場での発表を経験してはいるが、土居にとって今展が初のまとまった発表となる。

そして、これは彼女にとって何故、描くのか？を自己に問いただす機会となったようだ。

「もがき苦しむからこそ、人間なのではないだろうか？」と考える土居は、自分が絵という媒介を使って他者へと伝達するための、てらいもない応援歌のような存在を目指しているようだ。

かつて“インディ・ジョーンズになりたい”と少々、風変わりな夢を抱く少女時代を過ごしたようだが、
何と純粋な事か、それは未だに色褪せず変わることがないらしい。

何故か常に災難に巻き込まれるヒーローは、泥まみれになりながらも解決へと突き進もうとする。
その“ドロドロぶり”が幼かった彼女にとって＜信じれる何か＞の象徴だったのかも知れない。

今展は新作のみ約３０点の発表を予定し、ペインティングとドローイングを中心に構成すると
意気込んでいる。 荒縄片手に古今奮闘する女性版インディ・ジョーンズの、
暑苦しくも心に響く作品群に是非、触れて欲しいものだ。

＜記＞　SKKY 鯵坂兼充

・