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佐藤 貢 展「ワルツ」

<紹介文>
今回、iTohenにて第50回目となる企画展では、和歌山を拠点に精力的に活動を続ける
佐藤貢(さとうみつぐ)氏をご紹介致します。

2005年に開催した初個展を皮切りに東京(lim Art)、名古屋(コロンブックス)、
大阪府枚方市星ヶ丘(SEWING TABLE COFFEE)と短期間に各地で発表を重ねてきた佐藤は
次に作られる作品の<スタイル>が見えてしまったことに戸惑いと恐怖を感じたと言う。

一つのスタイルを固定化し、それを時間をかけて続けていくことで認知度を上げていくことも
確かに近代美術史をほんの少し振り返るだけで戦略の一手段として乗っ取るべき方法であるのかも
知れない。

しかし、佐藤が創作において重きを置いてるのは全くその対極にあるもので、自身が以前に綴った
綱渡りのようなバランス]で新しく汚染されていない種を間断なく探し続けることにあるようだ。

そこで今回、佐藤の選択した表現手段は何と<音楽>だと言う。

昨年度の開催時に筆者である私が作品評を書いた時に[視覚よりも聴覚を刺激する]と記したが
今回は本当の<音>が主役となる。

1枚、録音したと言うCDを聴いた。
友人が置き忘れていった改造ベース。海辺で拾われた大小無数の廃材をピックや楽器そのものと
見立てた音。彼の言葉で言う[勝手に集まってきたもの]ばかりで幾層にも組まれた破壊的でありつつも
希望の光を満々と含ませた再生に至る楽曲。そう評価すれば良いだろうか。
その出力方法として、スピーカーを組み込んだ造形作品8点が並ぶ予定だ。

この3度目の個展は彼にとったらさしずめ<3枚目のベストアルバム>と言ったところだろうか。

ドイツ起源の3拍子のワルツに乗せて、今度はどこへ誘導しようと言うのだろう。

私達が置かれた魑魅魍魎とした現代社会に、彼自身から生まれる独特な言語は、
少なからず挽回の 一手となるに違いないと期待して止まないのだ。

<記> SKKY 鯵坂兼充

1971年
1992年
1994年~
1998年
1999年~
2005年5月
7月
9月
2006年5月
9月
11月
2007年5月
7月
生まれ
大阪芸術大学美術学科 中退
中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪
和歌山市へ移住後[流木]を用いて作家活動を再開
毎年、年に一度 和歌山市にてグループ展に参加
第1回個展(大阪市北区本庄:iTohen、中津:パンタロン
巡回企画展(東京 渋谷区恵比寿南:lim Art
企画展/月がほしい。(大阪府枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE
第2回個展(大阪市北区本庄:iTohen)
巡回企画展(名古屋:コロンブックス
巡回企画展/朝(大阪府枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE)
第3回個展/Waltz(大阪市北区本庄:iTohen)
巡回企画展(東京 日本橋茅場町:森岡書店