2007.2.14 _ 2007.2.25
<紹介文> | |||||||||
第45回目となる弊廊での企画展では、関西を拠点に活動を続ける木工作家である <稲葉崇史>をご紹介致します。
立命館大学法学部出身という、少々異色の稲葉は卒業後、すぐに某大手建築メーカーに就職する。 彼が置かれた<営業>というポジションは仕事の性格上、個人の意識とは関係なく業績を上げる為にあらゆる手段で売って行かなければならないだろう。 「だから、実は木工でなくても良かったかも知れないんです。」と語る稲葉の言葉が実に印象的である。 しかし、「技術的な事を考えたら、その時に購入してくれたお客さんには至らなかった事をしていたかも知れない。でも、一生懸命には変わりなかったんです。」 しかし、当然の様にひっきりなしに注文が来るわけではない。 本展の準備のため彼のアトリエを訪問し、少しばかりの時間を掛けて稲葉の作った椅子に腰掛けてみると、使い手の事に重きを置いてることが充分に伝わってくる。 知らずに自分が雄弁になっていくのに気付き、あたかも『語り部』の様に彼に向かって同じ話を何度もしている事に驚きもしたのだ。 稲葉の家具は、正直扱い安いといった代物ではない。 <記>skky_鯵坂兼充 ・
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