2007.1.17 _ 2007.1.28
<紹介文> | ||
2007年新春のiTohenを彩ってくれる最初の企画展(弊廊では、通算43回目を数える企画展)では 一昨年の同時期に開催して頂いた、吉行洋子とつき山いくよによる2人展<第二回 吉月会>を ご紹介致します。 2005年開催時に紹介したように両氏は元先生と生徒といった関係。 それは一方的な尊敬と言ったものではなく、双方に観点と年齢、辿ってきた経過こそ違えど、汲み取り合ってきた非常に良好なる結果であろう。 以前は、2人でいかに空間を組み立てていくかに主題を置いていたようだが、 互いの間に友好的な企みがあり(私はここで“大人のワルダクミ”と命名しよう。)、2人でこそ作りえる空気と作品とが表現出来ることの可能性を再認識したからこそ、この展覧会を引き受けてくれたのであろう。 吉行洋子は旧作に加え、パウル・クレーが最晩年に残した膨大なデッサンの中からインスピレーションを受けたものが立体として登場。 一方、つき山いくよは『NEW TITLE』※と題した携帯電話に今や必需品となっているメール機能の中にある 平面のみならず、その時々に必要と感じた彼女しか持ち得ない希少なセンサーは経験を重ねるごとに顕著にまた、的確に表現されるようになってきたかのように私は感じている。 加えて展示の為の大切なモチーフでありイメージである“ボート”は彼女の中で、終わりと始まり、また旅や予感を感じさせると言う。何気なく取りあげ、習作を重ねていく内に2007年という新しい年の幕開けにピタリと合致するものと強く意識するようになったそうだ。 また会期最終日には、音楽家のイノウラトモエ※を迎えボートにまつわるイベントも計画中だ。 様々な事柄や情報を伝達する手段が多様化して歯止めが効かない昨今を考えた時、吉行洋子の仕事のあり方や、つき山いくよの表現者としての幅を持たせようとする積極性こそ、非常に純粋なものだと私は感じ、この展覧会を依頼したのである。 <記> SKKY_ 鯵坂兼充 ・ 吉行 洋子 1949 生まれ 【2007年 予定の展覧会】 2007.7 京都烏丸御池駅ギャラリー ・ つき山いくよ
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