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間芝勇輔 「はないが wanaiga」

『嫉妬を感じる絵』

とても悔しい。間芝勇輔の作品を観ていると、心の底から嫉妬を感じる。 全部が全部、とても良い。グッと感じる“何か”を持っているのだ。そして、嫉妬を感じるのは、「僕にも出来たはず」と思わせてしまう感覚から来るのであろう。 彼は絵を描くという、彼曰く“これしか取り柄がない”武器を持って、どんどん悪戯を繰り返して行く。しかも、魅力を持った悪戯を。 好きな画家、又はクリエイターは?と尋ねてみると、しばらくして「みんなかなあ・・・」とボソッと答えた。 それは、どんな人でも創っている事自体、凄いから・・・とのこと。 お世辞でもなんでもなく、素直にそう思うそうだ。 しばらくして岡本太郎氏の名前が出た。やってることが無茶苦茶に見えるのに、筋が通ってる。格好いいという。 このコメントからも伺えるように、彼なりの表現の自由と、創意工夫について模索した結果が伺える。 間芝勇輔の作品も、まさにその通り。 単なる落描き小僧でもなく、グラフィティスタイルでもましてや、クライアントを想定したイラストレーション的要素にも当てはまらない。 少し毒を持った、筋の通った社会的な悪戯なのだ。 どこで発表すれば良いのか分からなかったという彼は、関西のクラブ、カフェを中心に約5年程発表を続けてきた。 そして今回の展覧会は、彼にとっての初の個展となる。開催に合わせ、彼は100ページ・100部限定のドローイング集『はないが』を準備した。 彼の作品には、比較的言葉が登場する機会が少ないのだが、拝見した中に<死にたくはないが> というコメントが絵に添えられるように出ていた。 この言葉がとても印象的であり、彼本来の人生観を物語っているように感じ、今回のタイトルとして取り上げた。

TEXT : SKKY 鯵坂兼充

間芝勇輔  Yusuke Mashiba
1979 京都生まれ
1999 / 06 グループ展(大阪)
1999 / 09 グループ展(大阪)
2001 / 05 CDジャケットアート展(ホワイトキューブギャラリー:大阪)
2001 / 10 “ウエストベスト”グループ展(ギャラリー80:東京)
2001 / 03 “Ф40”グループ展(ギャラリーロクシキ:大阪)