2004.8.17 _ 2004.8.22
私達に近い 『芸 術』
今回で第12回目となる、itohenでの企画展覧会は、 [長尾 圭(ながお けい)]氏をご紹介致します。
私が個人的に長尾氏の作品を拝見したのは、たしか1997年の番画廊(大阪市北区西天満)での 『ペインティング:成熟のあと』でした。その絵を観て、まさに一目惚れに近い感動を覚えたものです。 その時は、画面全体から漂う匂いから、何の疑いもなく女流画家だと思いこんでました。
男性の描き手には少ない、ここぞの時にはスパッと割り切る、潔さを感じたのです。
少しずつ確かめるように散らばった色彩。画面に触れるまでに相当の時間をかけて描いたであろう 筆跡と配置。制作のプロセスまでは存じ上げませんが、とにかく『急いでいない。』 メディアとして油絵具を多用しているのに、どこか相反する<水>を感じます。 画風は一見地味ですが特有の華やかさが印象的です。
長尾さんの作品は、自信がなさそうな所が現代的だし、だからこそ好感が持てます。 作品が、私達に『近い』のです。
Text : SKKY 鯵 坂 兼 充
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長尾 圭 NAGAO,Kei
1969 大阪生まれ
1992 大阪芸術大学 芸術学部美術学科 卒業
グループ展
1996 [ペインタリネス] ギャラリー白(大阪)
1997 [ペインティング:成熟のあと] 番画廊(大阪)
1998 [光脈の湧出] 松田豊美・長尾圭 Oギャラリー(東京)
2001 [congress hall] セルフソウアートギャラリー(大阪)
2003 [呼吸-breath-] ギャラリー白(大阪)
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個展
1994 ギャラリー白(大阪)
1999 OギャラリーUP’S(東京)
2000 ART SPACE Life=Passage
(東京・Oギャラリー2階廊下)
2001 Oギャラリー(東京)
2002 オソブランコ(大阪)
2003.3 オソブランコ(大阪)
2003.7 OギャラリーUP’S(東京)
2004.7 オソブランコ(大阪)
複眼ギャラリー(大阪)
2004.8 いとへん(大阪)