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佐藤 貢 展

iTohenにて第232回目となる今展では、現在、名古屋に拠点を置く佐藤貢(さとう・みつぐ)氏をご紹介致します。弊廊では1年ぶり。今回で6度目の新作発表となります。


いつものことですが、展覧会の直前に「そろそろ佐藤さんに連絡しないと・・」と思っているのと同時に作品が送られて来ます。決まっていつも1点。今回は、現物ではなく、ここ最近の彼の作品を好意で撮り続けている辻徹(つじ・とおる)さんと言う写真家が撮られた画像が送られてきました。

箱の上にいくつか構成された、紙でくるまれた箱のようなものや、真空管のアンプに見られるようなものがあります。じっと目を凝らすと、ガラスのような透明なもので堅牢_または誤解を恐れずに表現するとすれば頑固なまでに_に遮断された向こう側に紙の束のようなものが止められています。
相も変わらず携帯電話も、ましてやメールなど持ち合わせていない彼に連絡を取ることは、タイミングを逃すとなかなか難しい作業です。
コチラとしては、広報をする責任があります。はてさて、どのように受け止めてみればいいものか・・・。彼とのやり取りはあたかも、このような禅問答のような形から始まるのが常です。
しかしそれは<苦行>では、ありません。彼から出されたテーマに対し、考える作業を与えられる貴重な時間となるのです。

先日、名古屋市美術館が主宰する若手の美術家を紹介する展覧会が開かれました。その中に佐藤さんも選出され、この機会を見逃すわけにはいかないと思い、出掛けてきました。彼よりも断然、年齢の若い作家が殆どの面積を占め、それは文字通り埋め尽くす勢いで展示されていました。そのことに感心しつつも「へこたれそう」になった頃合いに、彼のフロアが登場しました。今までの流れを汲んで制作しているのは当然ですが、それはまた衝撃に似た空間構成でした。
佐藤さんは、また<音>に詳しく取り組んでいました。機能しているのか、そうでないのか、そのギリギリに役目を果たそうとしているスピーカーの先に耳を澄ますと、それは<音楽>の“てい”を成したものではものではありませんでした。音は音でも、それ以上でもそれ以下でもない。かと言って、突き放すようなものでもない。それは、「波動」という現象活動が作品を通じて行われているんだと気付かせてくれるものでした。

その波動は静かながらも確かな動きで、僕の腹の底の方に響いてきます。こちらがわの「扉」を開けば、共鳴すると言う作業も始まりました。その事に気づいた時、何故に執拗なまでに「音」にこだわるのか・・と言う意味が、僕なりに理解でき、合点がいったのです。

今回は、10点程の発表を予定しております。是非、この機会に佐藤貢の仕事を拝見されたことのない方は、触れてみて下さい。そして以前から彼の活動に興味を持たれている方は、大いに楽しみにして頂きたいと思っています。

iTohen 鯵坂兼充

佐藤 貢     Mitsugu Sato

1971年
1992年
1994年~
1998年
1999年~
2005年5月
7月
9月
2006年5月
9月
11月
2007年5月
7月
2009年5月
9月
2010年5月
2011年1月

2011年5月
2012年6月
2012年7月
2012年11月

生まれ
大阪芸術大学美術学科 中退
中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪
和歌山市へ移住後[流木]を用いて作家活動を再開
毎年、年に一度 和歌山市にてグループ展に参加
第1回個展(大阪 北区本庄:iTohen、中津:パンタロン
巡回企画展(東京 渋谷区恵比寿南:lim Art
企画展/月がほしい。(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE
個展(大阪 北区本庄:iTohen)
巡回企画展(愛知 名古屋:コロンブックス
巡回企画展/朝(大阪 枚方市星ヶ丘:SEWING TABLE COFFEE)
個展/Waltz(大阪 北区本庄:iTohen)
巡回企画展(東京 日本橋茅場町:森岡書店

個展(大阪 北区中津:パンタロン
巡回企画展(愛知 名古屋:gallery feel art zero

個展(大阪 北区本庄:iTohen)
グループ展/自然の産婆術 / MAIEUTIKE野生の創造
(東京 東神田:馬喰町ART+EAT
個展(大阪 北区本庄:iTohen)

ポジション2012名古屋発現代美術 招待出品(愛知 名古屋:名古屋市美術館
アーティストによる家具展 参加(愛知 名古屋:gallery feel art zero
個展(大阪 北区本庄:iTohen)