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森 善之展「水のすみか」

iTohenにて第220回目となる今展では、関東を拠点に活動を続ける写真家:森善之(もりよしゆき)氏をご紹介致します。弊廊では初となる発表となります。

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「水のすみか」と題された大振りな写真集を拝見したのが契機となり、森さんの仕事に強く興味を持ち、今展の開催に結びつきました。
「水」の「すみか(住処)」とは、よくよく考えると不思議な言葉の組み合わせです。「水」について、どのような気持ちを持たれてるのか、また 被写体として選択した理由が、どういったところから来ているのか?森さんの答えはこうでした。

_水というものが物質としての存在を超えて、
僕たち人間やほかの生き物たちが共有している命の源であるという思い。
水が汚れれば生き物たちも同じように汚れていくような気がするのです。

また、このようにも答えてくれました。

_命そのものだとおもいます。
死ねば水に帰る。

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約10年前、南米のアマゾン河へ取材に行き、そこで出会った「水」の存在感に強く心を揺さぶられたそうです。それ以降、紀伊半島の源流域に流れる一筋の渓流で水の撮影を始めたと言います。

瞬間に姿を変えながら、現われては消えていく水の表情に、イキモノの生がかさなりあう。
私達イキモノも「水のすみか」なのだと気づかされる。
清冽で透明な清々しい水は、見る人の心を潤し、満たしてくれると考えているそうです。

今回の展示ではタイプCプリント作品の他に、水のすみかの作品集、及びオリジナルプリント付きの限定エディションも販売します。

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森さんの作品はとても潔い。
清浄で淀みがなく、それが態度にも言葉にも、当然作品にも反映されていて心地良ささえ感じます。

是非、この機会にご来場ください。


期間中、5月18日(金)19時より展覧会を記念したレセプションパーティーを開催致します。
ゲストスピーカーに、関西を拠点に精力的に活動されている<マスナガデザイン部>の
デザイナー:増永明子さんをお招きし、森さんと作品について語って頂きます。

また、三線の唄い手:樋口夕夏さんと福井大輔さんが八重山民謡を奏でます。
どなた様も
お気軽にご参加下さいませ

<記>  iTohen 鯵坂 兼充

森 善 之 Yoshiyuki MORI

プ ロ フィ ー ル

1998年 新鋭展 98参加(奈良市写真美術館)
1999年 CYCLE & CIRCLE(DOT/京都) CYCLE & CIRCLE(MOLE/東京)
2001年 まほろ(La chambre claire/Paris)
同年 水辺の迷宮(ペーパーボイスギャラリー/大阪)
2002年 origin(WALL/東京) 2004年 三部作(WALL/東京)
2004年 三部作(ガレリア・アルテリブレ/大阪)
2006年 うた(WALL/東京・ペーパーボイスギャラリー/大阪)
2011 水のすみか スピークフォーギャラリー(東京)
同年 PAXREXギャラリー(神戸)
2012年 5月 水のすみか(iTohen/大阪)
同年 6月 水のすみか 巡回展(森岡書店/東京日本橋茅場町)

1960年生まれ。
主に広告やエディトリアルの分野で活動。
2008年、写真家達によるユニット「七雲」を設立。
日本各地の暮らしを写真と文章で伝える、 グラフ誌「ジャパングラフ」の制作も手がけている。

作品集に「うた」(詩・上田假奈代)などがある。