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芝本 繭子 展「s k i n」

iTohenにて第207回目となる今展では、芝本繭子(しばもとまゆこ)氏をご紹介致します。

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芝本さんは、現在 京都市立芸術大学大学院に在籍しています。
いわば“学生さん”なのですが、作品に既にそれなりの『迫力』を携えています。
外部に対しての発表は、それこそ数は少ないものの、
あきらかな発展を予感させる作品を創ります。
その部分に非常に興味を持ち、今展の開催に至りました。

“人体”をモチーフとした作品群は、彼女にとって一体何を表すものなのか?
その問いに対して、以下のようなコメントをくれました。

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人体モチーフは学部二回生の頃から描いていました。
その後は、外と内の空間というテーマで窓のある部屋を描いたりして
院生になってからもう一度、人体をモチーフに描くようになりました。

皮膚の下に隠れた見えない部分の、ぞっとする気持ち悪さに魅力を感じます。

モチーフは人体に戻りましたが、外と内というテーマも引き続いてて、
今回の展覧会タイトル<skin>は、文字通り身体の内部と外部を二分する
“皮膚”のことです。

皮膚の下には血、肉、神経、細胞組織など無数のものたちが、
静かにしかし活発に動いている。また、外部には、空気をはじめ永遠に広がる世界が、
皮膚に対し、常に刺激を与えている。
薄い皮膚は外界と内部の刺激をすべて感受し、それに対する反応が生起する
場である皮膜として保たれている。

展覧会では上記のことをふまえ、皮膚と“皮膚”を境に広がる
内と外を空間全体で表現したいと考えています。

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自身にとって、芸術とは「発見を具現化できるもの」だと感じてるそうです。
と、言う事は、芝本さんにとって、見えない何かにそそられるし、
突き詰めて問い質したい“何か”があると言うことなんでしょうか。

以前、とある方にこう言われたそうです。
「人が死ぬということは、その人の身が滅びたときではなく、世の中から忘れられた時」。
その言葉が強く印象に残り、アーティストとしての道を志した芝本さんは、
忘れ得ない何かを、今から紡いでいくことになるのでしょう。

大いに期待をしたい新人が、また登場致しました。

是非、期間中に足をお運び下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

<記> SKKY | iTohen 鯵坂 兼充

芝本 繭子 Mayuko Shibamoto

略歴
2006年 京都市立芸術大学美術学部入学
現在  京都市立芸術大学大学院在籍

展示
2008年 「三人展」 ギャラリースカボロにてグループ展_京都
2011年 「parts」 ギャラリーパルクにて個展_京都