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大竹昭子展「NY1980」

 iTohenにて第181回目となる展覧会では、関東を拠点に活動する大竹昭子(おおたけあきこ)氏をご紹介する運びとなりました。
今展は、東京:日本橋茅場町にある<森岡書店>の全面協力により開催される巡回展となります。
是非、期間中に足をお運びください。


1980年冬、ニューヨークに住んでいた私は、突然写真を撮りたくなって
34丁目のカメラショップに走り、一眼レフを買った。
それから帰国までの約1年間、何かに憑かれたように街をスナップして歩いた。

帰国後、写真について書くようになったのも、あの時期に写真をたくさん撮ったことが大きい。
写真に触れながら考えていたことが言葉となってあふれ出したのだと思う。

今回展示するモノクロ写真には、現在のようなきれいな街並みになる以前のイーストビレッジ界隈が写っている。テクスチャー感がいっぱいで何を撮ってもおもしろかったのを思い出す。

写真と関わりの原点を振り返る写真展になりそうだ。

In the winter of 1980, while living in New York City, I was suddenly overwhelmed with the urge to take photographs and found myself running to a camera shop on 34th street where I picked out a SLR camera.
And then for nearly a year, until I left New York for Japan, I walked the city streets snapping away madly, as if possessed. The fact that I began writing about photography after returning to Tokyo has no doubt to do with my period of shooting in New York.
I had discovered a way to express in words the feelings I had taking, and looking at photographs.

In this exhibition, I am showing black and white images that capture the gritty East Village before it was prettified through redevelopment.
At the time, the neighborhood was a canvas of texture, and everything I saw through the lens called out to me.Setting up this show has pulled me back to the time where I first encountered the joy of truly seeing things.

Akiko Otake

プロフィール

ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など、ジャンルを横断して執筆。
トークと朗読の会<カタリココ>を各地で開催している。

著書に『この写真がすごい2008』(朝日出版社、2008)、『きみのいる生活』(文藝春秋、2006)、
『眼の狩人』(ちくま文庫、2004)、短編集『随時見学可』(みすず書房、2009)、
『あの画家に会う 個人美術館』(新潮社とんぼの本, 2009)など他多数。

最新刊は 長編小説『ソキョートーキョー』(ポプラ社、2010)。

月曜社のwebサイトで「森山大道のon the road」を連載中、紀伊國屋書店「書評空間」の同人。
草森紳一記念館「白玉楼中の人」で「目玉の人」を不定期連載。