STORE

iTohen

exhibition

past

高田竹弥 個展「風によせて」

<紹介文>

三重県伊賀を活動の拠点とする高田竹弥は、 昨年の同時期に弊廊にて発表をし、今年で2度目の開催となる。今展は< 風によせて >と題した。

彼自身が綴った言葉からも読みとれるように、高田は現在住まう伊賀の自然や、その目の前にある既存の事柄や生命の営みに非常に繊細な視点を持ちつつ、大いに興味を惹かれている様子だ。
と、言うのも作品制作のみならず、生活の中に<畑仕事>を基盤に入れているのが一つの要因かも知れない。

例えば、育てている野菜や、果物がどのような時期に植えるべきなのかを地元の住民に教わり、そこに隠されたカラクリや素の美しさに感動し、それを作品という媒体に転換させ表現している。

私達の暮らしや生活環境や地球環境は、いつ「たがが外れて」しまったのだろう。

創作をする場合、多くの人が、必ずと言って良いほど「何を描きたいのか?」「何を表現したいのか?」と言う、難題にぶつかるはずだ。
高田の場合は、まず生活自体をシンプルに整え、美術に関わる因習を排除し、且つ常に自然と向き合える場を自ら構えた事により多くの問題に真っ向からぶつかって行こうとした事が注目に値すると思える。

一見、時代と逆行していると思われがちな選択方法だが、果たしてそうだろうか?
それは、近年の彼の作品が雄弁に語っているかのように、私は感じるのだ。

彼の作品の真骨頂は、<平面作品>だろう。
いつも、格闘の後が感じられ、仕事の美しさ、汗の美しさ、はたまた労働の美しさを感じる。

描くには、描いているのだが、彼の作品を拝見していると、もともと地中に埋もれていた古代の人達が作り上げた土器やら装飾品やらを見つけだし、それはもう丁寧に磨き上げ、丹念に修復し、息を吹き返させているかのように思えてくる。

並行して、立体作品を制作するが、これは彼にとって、自身の本道である平面に立ち向かうための準備やら練習やらであるかも知れない。
自由な時間と自らを規制した時間。この緩急を保っていられるからこそ作品の中に独特の優しさと緊張感を表現するのに非常に長けているのであろう。

今回は、ほとんどが平面・立体の新作、約30点の発表となる。
さて、今回の作品は、何を語り聞かせてくれるのであろうか?

<記> SKKY_鯵坂兼充

高田竹弥(たかた たけや)
<履 歴>

兵庫県生まれ
1992 金沢美術工芸大学/美術学部 油画専攻 卒業
2003 伊賀の里山にアトリエをつくる

近年の活動
-2006-
「オークション展」すどう美術館(東京/銀座)
「はこ」高田 竹弥作品展 sewing gallery(大阪)
「 Small, Simple & Sweet Project 」mamma mia!(滋賀)
「ミニアチュール・神戸展 vol.6」(神戸・ギャラリー島田)
「そらみいと」soramimibunco×iTohen 協同企画(大阪)

-2005-
1月 「オークション展」すどう美術館(東京/銀座)
7月 「ミニアチュール・神戸展 vol.5」(神戸・ギャラリー島田)
8月 「そらみいと」soramimibunco×iTohen 協同企画(大阪)
9月 「つちのきおく」iTohen (大阪)
「セカンドライフ展」銀座三越(東京/銀座)

-2004-
2月「いろいろ展」 sewing gallery(大阪)
3月 第8回 「若き画家たちからのメッセージ2005」展 すどう美術館(東京/銀座)
6月 「COMING ART展」 すどう美術館(東京/銀座)