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辻本小百合 個展 リリ

<紹介文>
関西を活動の拠点とする辻元小百合は、 先日 第5回TIS(東京イラストレーターズ・ソサエティ)に入選する 機会を得て、本格的に制作活動へと移行していった人物だ。

彼女の作品は、一見すると写真と見間違う位、非常に写実的である。
だがしかし ところどころが“稀薄”なのだ。
それは、単に冷たさや、制作に対する不真面目さを言うのでは無い。
現にモチーフを考えただけでも“何気ない”とは言え、 彼女のその物や人に対する愛情やいつくしみを至る所に感じる。
被写体が画面の中で静かに溶け合い心地良さそうに沈殿しているかのように感じ受けるのだ。

彼女は、京都嵯峨芸術大学 油画で洋画の基礎を学んだ後、より商業的で 絵を“フラットに”とらえるデザイン系の専門学校で商業美術を学んだ。
だがしかし、彼女にとっては対人的なリハビリを兼ねた社会へと旅立つ為のステップとして捉えていた様である。 彼女が言うには専門学校時代に多くのかけがえのない友人を得たという。

なるほど、その辺りからの制作が彼女のモチーフを選択させる主眼を形成したように思えてくる。

一生涯の中で、“想い出”とはどの位の数になるのだろう。
彼女が非凡なのはそれを丁寧に見つめなおし、さらに作品として残していくことが出来ると言うことではないだろうか。

今展が彼女にとっての初の個展となるが、数々の作品からは ある種 堂々とした風格さえ感じる。
それだけ描く時間を積み重ねてきた結果なのであろう。
「発表することで残す」 彼女の小さく、しかし広大な野望はこれを点として歩み始めるに違いない。

<記> SKKY_角谷 慶

辻元小百合 Sayuri Tsujimoto

1982年 兵庫県姫路市出身
2005年 ホワイトキューブギャラリー特別企画 第2回サムホール2005展参加 (大阪)
ART BEAT KYOTO 2005 参加 (旧 立誠小学校・京都)
アミューズアートジャム2005 参加 (京都文化博物館)
アートポートフォリオ展2005 参加 (ART ZONE・京都)
– 受賞歴 –
2005年 第5回アジアデザインコンペ 入選
2006年 第5回TIS公募 入選