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飯島花奈 個展「窓の向こうの海。砂糖味」

<紹介文> 今回、iTohenにて第26回目となる企画展では、関西を拠点に活動を続ける飯島花奈をご紹介致します。 平面での表現を主体とした飯島は昨年の11月に海岸通ギャラリーCASOにて初めての個展を開催した。
大きな<箱>で、自身の作品が社会とどう関係出来るのかを体感したかったそうだ。
普通、グループによる展示やら、比較的、小規模のギャラリーと呼ばれる場所で「助走をつけてから・・・」行う所だが、
飯島の場合、こういった作業を飛び越えてしまうバイタリティーに魅力を感じた。
<アニメ>に没頭した幼少期を経て、中・高校と陸上部に所属した飯島は、<短距離走>を専門としたそうだ。
成る程、この経験が、その後の活動に生かされているのかと思うと、非常に明解な成り行きだ。
久しく遠ざかっていた“絵”というものに、彼女は進学を大学ではなく、社会人も通う大阪美術研究所に行くことにする。
現在、6年目とのことだが現役の学生である。 基礎を中心に学びながらも、異色な作品を“作ってしまう”飯島にとって、その初の個展が飽和点に達し表現されたのであろう。 主に取り上げるモチーフは日常生活の風景や断片。
雑貨から弟の小さい頃の写真まで様々だ。時間的な軸は、ここには関係がない。ただ興味の対象が断片的に捉えられている。
しかし、その“切り取り方”が飯島の場合、非常に面白いのだ。
まるで静止画と動画が入り組んでいるようなイメージを与えてくれるとでも言うのか。
現在は平面だけではなく、立体にも意欲的に取り組んでいる。
3次元の視点から2次元を見つめ直したい気持があると言う。
若干25歳だが、物事の本質を捉えることに醍醐味を見出した飯島の活動を買っての企画を試みる。
今回の展示では旧作を含め新作には<ガラス>を使用しての表現を予定している。
1枚の透明のキャンバスを通じて、飯島が切り取るモノ、また作ってしまうモノは一体何であろうか、大いに楽しみである。

<記> SKKY 鯵坂兼充