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かえでまちこ個展

<紹介文>

小さい頃から描くのが好きだったそうだ。そして受験を機会にほとんどの人がそうするように辞めてしまう。<絵を描くこと>は普段の生活とはあまりに無縁と話を切り離してしまうからだろう。 しかし社会に出てから、自身の心の空洞を埋めるかのように、たまたま通りかかった社会人対象のアートスクールの門を叩いたのが、かえでまちこにとって絵を描く情熱を再燃させた原因である。その過程が、ほぼ無意識だったという点が興味深い。よほど自身の表現のはけ口を意識下で模索していたのだろうと思う。 そして趣味の範疇では収まりきらないと自分の活動範囲に判断を下し、個展と言う形で作品を発表するという経過に至った。これには、一つの決意が必要になってくるはずだ。 現在26歳のかえでは、周囲の同世代の人々とは同じ時間軸の中で生活してるとは思えないとのことだ。とにかくみんな早いと、、。 世間はとかく何事においても早急である。しかし、かえでは自分の持って生まれた速度を変えない。変えないで居続けるにはそれなりにテクニックが必要だろう。かえでにとってのそれは<絵を描く事>であるとも言える。自分の存在価値を確かめる方法でもあり、また熱中できる時間を自ら作りあげることのできる唯一の手段なのだ。

text:skky 鯵坂兼充

<かえでまちこ~その人物と作品について>

<かえでまちこ>を何かに例えるなら、「たんぽぽの種」といったところでしょうか?
ふわふわとたよりなさげで風に流されるようであったり、好奇心旺盛な冒険家のようであったりします。 心に強い意志を持ちながら繊細で傷付きやすい性格は、彼女が描く作品を見ても感じ取られます。作者はきっと否定するでしょうが、彼女が描く モノはすべて彼女の分身であり、心のカタチでもあると思います。
なぜなら、 彼女が描いた絵の具のタッチやドローイングのラインには、確かに <かえでまちこ>を感じる事ができるからです。
<かえでまちこ>の旅はまだ、始まったばかりです。 これからどんなところへ行き、どんなことを吸収するのかはわかりませんが、 いつの日にかしっかりと大地に根をはり、小さくとも凛とした花を咲かせて ほしい、、とそんなふうに願うのです。

text:イラストレーター野田知哉
http://www.ne.jp/asahi/tomoya/noda/