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丸尾直子「View」

今回で第14回目となる企画展では、学生時代から一貫して“人工物と自然”をテーマに様々な表現様式を模索しながら発表を続ける若手作家の丸尾直子に焦点を当てます。

彼女が、この[マイテーマ]を早くに見いだしたキッカケは、小学校の授業で受けた<家庭科>の時間であった。 その授業課題が、“界面活性剤について”だったそうで、いわゆる私達が日常生活でいつも普通に使い、市販されている洗剤のことだ。

先生があらかじめ衣服を洗い、乾かしたものにブラックライトを当てると蛍光色に光り出したそうだ。この光景は、まだ<何も知らない>幼い子供にとっては、衝撃的な美しさとともに、現実世界に隠された闇を同時にまざまざと見せつけられてしまったのかもしれません。
しかし丸尾直子の中に強く印象付けられたのは、その衝撃的な出会いに触れるまでのプロセスにあったように思われます。

大学時代は、生活の拠点を滋賀県に移し、工場のそばで日々を過ごす。
まず、本格的に美術を専攻した若き表現者を駆り立てたのが、この壮大なスケールの人工物だった。 早くに[マイテーマ]を持っていた丸尾にとっては格好の活動環境であったようだ。
卒業後も地道に活動を展開する丸尾を魅了したものは、ギャラリーで展示される一つ一つの絵や彫刻などではなく、それを取り巻く“非日常性”的性格を備えた部分であった。

必然的に、平面を中心に表現していたものが、立体的に、そして空間的になっていく。 そして今、彼女が目指す場所がー四次元ーの世界のように思えて仕方がない。
丸尾直子(人工物を作る仕掛け人)が、今回は、一体どのような自然を作ろうというのだろうか?

text : SKKY 鯵坂 兼充

履 歴
1974年 3月 大阪生まれ
1998年 3月 成安造形大学洋画クラス 卒業
1999年 3月 成安造形大学洋画クラス 研究生修了

個 展
1998年 6月 個展/ ギャラリーココ(京都)
2000年 4月 個展/ ギャラリーココ(京都)
2002年10月 個展/ ギャラリーココ(京都)
2004年 3月 個展/ ギャラリーココ(京都)
2004年10月 個展/ iTohen(大阪)

グループ展
1998年10月  ペインティング・クロッシング/ 元明倫小学校(京都)
2000年 9月 トワーズ・ユートピア New Generation 00/ 海岸通ギャラリーCASO(大阪)
2001年 9月  multiple market  メイド・イン・キョート/VOICEGALLERY (京都)
2001年12月  A・N・n・a exhibition/VOICE GALLERY (京都)
2月  multiple market メイド・イン・キョート(京都)
7月  Reconfiguring/ギャラリーココ(京都)
12月  Drawing Box 2002/ギャラリーココ(京都)
2003年 4月  multiple market メイド・イン・キョート/VOICEGALLERY(京都)